父の仕事の関係で4年住んだスイスからの帰り、「ああ、アジアだ！」と深く感じたのは香港のタクシーの中だった。
無愛想な声。荒い運転。バックミラーにかかった揺れる赤い飾り。車窓から見える大小様々な看板や雑然とした街並み。黒い頭の人々。
それまでの暮らしの緊張が一気に解けた気がした。ヨーロッパから帰って来たのだと思った。

その思い出深い香港で今、毎週のように大規模なデモが起きている。テレビを置いてない私はニュースをネットで見ているのだが、香港情勢は取りに行かないと手に入らないものだなと思う。そして断片的に感じる。

写真や動画が上がるという事は、記者やカメラマンがいるのだろう。デモのない日、香港はどんな表情をしているのだろう。そんな写真や記事もあったらと思う。

日本国内だけでも、毎日いろんな事が起きる。グローバルと言われる今の時代、自国で起こる事だけでなく、海外のニュースももっと同じように流れる様になったなら世界が近くなると思うのだ。
個の多様化も進み、外を知ることで己の世界を広げることができるように思う。価値観を広げるチャンスになるだろう。

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