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100のニュースを毎日見るよりも、バフェットから1通の手紙で1年間安心できる。

11歳から投資を始め、今年93歳になるウォーレン・バフェットが年に一回、自身が経営するバークシャー・ハサウェイの株主に当てて出す手紙は、世界の状況を理解する上で、深い知恵が詰まっていると、多くの投資家が重きを置いています。

今年も2月の終わりにバフェットの株主への手紙が公開されました。

日本のメディアも、手紙の一部を切り抜いてバフェットは「現在の市場はカジノのよう」と株式市場に警戒心を抱いているという形で伝えられましたが、メディアの都合の良い切り抜きだけを流し読みしても本質は見えてきません。

「日経最高値を更新」などと言った明るいニュースよりも、「株価急落」などと言ったネガティヴなニュースが多い時の方が、新聞はよく売れると言いますから、新聞社もある程度、そう言った部分を理解しながら、記事をつくっているのでしょう。

本当に価値のある情報に触れる。

バフェットの手紙の良いところは、バークシャー・ハサウェイの300万人の株主に対して、ゴーストライターや広報の会社などを通さず、彼独自の声で発信しているところ。

バフェットが第三者を挟むことなく、独自の声で発信するからこそ、彼の声がダイレクトに自分の中に届き、自身の状況に応じて、深く考えることができるのだろう。(翻訳ツールに通せば、内容は理解できるので、ぜひ一度、直接、バフェットの手紙を読んで見ることをオススメします。)

確かにバフェットは今年の手紙の中で、「市場は私が若かった頃とは、比べ物にならないほど、カジノ的な動きをするようになった。」と述べています。

こういった時期は、無知な者や悪意のある者が出てきて、長期投資の戦略を無視してしまう誘惑に駆られることがあるため、こういった時こそ、原点を見直すことが大切なのだと言います。

バフェットは自身の師匠であるベン・グレアムの言葉を引用して、「短期的には市場は投票機として機能するが、長期的には計量機になる」になると述べています。

人気投票ではなく、時間ともに価値のウエイトが重くなるものに投資する。

バフェットは、投資に関して、生涯で2〜3回、正しい判断をすれば十分だと言います。

バフェットは1988年にコカ・コーラ社、2001年にアメリカン・エキスプレス社に多額の投資をし、この2社が事業拡大に失敗したり、不祥事を起こしても、手をつけず、ずっと保有し続けてきました。

2023年、バフェットは両社の株を購入しませんでしたが、バークシャーが自社株買いを行ったため、両社の間接的な持ち株比率は少し上昇しました。

恐らく、バフェットが言いたいのは、カジノ的に市場が動いている現在だからこそ、コカ・コーラ社、アメリカン・エキスプレス社のような素晴らしいビジネスを見つけ、そこに勇気を持って投資し、忍耐強く待てば、必ず報われると言うことなのでしょう。

1つ素晴らしいビジネスへの投資が成功すれば、それ以外の避けられない小ない決断のミスはすべて相殺できるとバフェットは言います。

生涯で2〜3回、正しい判断をすれば十分。

また、今年の株主の手紙には、バフェットが9.9%まで株を保有することを公言している日本の5大商社のことについても触れています。

5大商社が魅力的な価格で自社株買いを行ったことを評価して「株主に優しい」と述べ、日本の商社もバークシャー・ハサウェイと似た、コングロマリットの経営をしていると述べています。

もう80年以上投資の世界にいるバフェットでさえ、資本主義の中で、勝者と敗者を見極めるのは想像以上に難しいと述べており、それを知っているという人は、自己欺瞞に陥っている人が、偽りのセールスマンだとバフェットは指摘している。

バフェットは現在、多くの現金を保有していますが、カジノ市場が落ち着き、魅力的な企業が見つかれば、いつでも資金を投入する用意はできているのだと言います。

バフェットの手紙は、1万のニュースを見るよりも、1つの手紙を読むことで、1年間安心できる安定感のようなものがあります。

ぜひ、心の支えのためにも、バフェットの手紙を全文読んで見てください。



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