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「この額を投資して夜ゆっくり眠れるか?」と言う視点で、一括投資か分割投資を考える。

前回の記事に引き続き、株式などに投資をする際に、一括投資が良いのか、分割投資が良いのかを考えていきます。

前回の記事でもご説明した通り、投資期間を数十年単位で長く見ているのであれば、資金を一括で投資してしまった方が最終的には高いリターンを生み出す可能性が高くなります。

ウェルスナビ代表取締役の柴山和久さんによれば、1992年から25年間のシミュレーションで、最初に100万円でスタートし、毎月3万円ずつ積立投資をして、投資した総額(累積元本)の1000万円は25年で約2.4倍になったとのだと言います。

もし、積立投資ではなく、最初から1000万円を一気に投資した場合、1000万円は25年間で約4.1倍の4102万になったことを考えれば、金銭的なリターンという部分では、一括投資した方が利益は明らかに大きくなります。

リターンという意味では、一括で投資した方が良い。

インデックス投資家にとって一番大切なのは、どれだけ市場にいる時間を長くできるかということ。

株式投資のポイントは、長期ではしっかりと成長し続けるプラスサムゲームなのに対し、短期では勝者と敗者が分かれるゼロサムゲームなのだと言う点です。

常に株価は上下を繰り返し、おおよそ10年に一回くらいは株価が暴落する可能性があります。

実際、一括で資金をすべて投資した翌月に暴落が起こって、投資額の半分近くが消えてなくなったしまう可能性も十分ありえるのです。

ドットコムバブル、リーマンショック、コロナショックなど、どれだけ暴落が起こっても、長期的には株価は回復していますから、暴落が起こっても、市場から退場せず、市場に居続ける心理的な強さがある人は、一括投資が向いていると言えるのでしょう。

インデックス投資をする上で、リターン以上に大切なのは生存率です。一括ではなく分割で投資していけば、株価が暴落した時の影響を軽減することができるため、心理的なストレスは少なくなります。

その時の株価が本当に高いのか、安いのかは、初心者の投資家には分からないため(プロでも中々分からない)、毎月一定の額を投資する積立投資であれば、高値と安値を平均化することができ、心理的には一括投資と比べてかなり楽になることでしょう。

リターン以上に大切なのは生存率

株式投資をする上で、必ずしもリターンを最大化することが、一番大切な事とは限りません。

自分の資金を一気に投資して「いつ暴落が来るのか??」と、眠れぬ日々を送っていては、日々の幸福度は下がってしまいます。

したがって、一括投資が良いか、分割投資が良いかは、やはりその人の投資スタイルによって異なるのでしょう。

30年間のシュミレーションで見ると、仮にどんなに悪いタイミングで投資したとしても、運用期間が15年を超えれば一定のプラスを確保できているようです。

毎晩、安心して眠れる投資金額がいくらかによって、一括投資か分割投資かが決まってくるのではないでしょうか。


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