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#013 PET検査を明後日に控えて

2019年3月9日

取り立てて変化のない日々が続く。仕事はなかなか忙しく、ちょっぴり業務に追われ気味だったりするけれど、仕事が忙しいとその分ガンであることを忘れることができて嬉しい。でももうすぐ治療がスタートしてしまうと、この勢いを止めてしまわなくてはいけないのだよね。残念でもあるし、クライアントや生徒の皆さんに申し訳ない気持ちもある。しっかり治してこのブランクを取り戻せるように頑張っていこうと思う。

明日はセミナー開催日。3ヶ月に一度のコンベンション的なセミナーで、全国から集まったメンバーの症例検討会がメインテーマ。毎回参加してくれるメンバーもいれば初参加の方もいたりして、皆でテーブルを囲むその後の懇親会が毎回楽しみだったのだけど、明後日は朝からCTとPET検査が入っているため前日は一切のアルコールは禁止。ビールの一杯くらいは飲めるだろうとタカをくくっていたのだけど、この検査のことをすっかり忘れてた。泣く泣く我慢することにする。

PETというのは放射能を含むブドウ糖(ブドウ糖類似薬剤)を注射して、ガン細胞がどこに分布しているのかを調べるためにおこなう検査とのこと。ガン細胞は糖代謝が活発なためガンの病巣部にはブドウ糖が集まりやすく、そのブドウ糖からの放射能をチェックすることで具体的なガンの分布を特定することができるのだそうだ。

いわば放射能を含む薬剤を注射するわけだから当然若干は被曝するわけだし、検査終了後も体内に残ったわずかな放射能が放出され続けるため、当日の検査後は人混みを避けて妊婦や乳幼児との接触を控えてくださいとのこと。まあ放射線被曝といっても一年間に自然界から受ける総量の1.5倍前後とのことで健康被害の可能性は皆無なのだけど、それでもそんなことを注意事項で申し渡されると心中穏やかではないよね。なるべく人に関わらないよう、空いてる電車を選んででおとなしく帰ることにする。

そういう話が進んでくると、あらためて自分がガン患者なのだということを思い知らされる気がする。今はまだ自覚症状も何もないから仕事の忙しさでガンのことなど忘れてしまうことすらあるけれど、これから治療が進んでいくことで思いもしなかったような変化や現実に打ちのめされる日が来るのかもしれない。

たかがステージ2のガンだけど、それでもガンはガンだ。いつ何時その牙を剥いて宿主の命を奪う日が来るのかと思うと背筋に嫌な汗が走る。今できること、今やらなければいけないことを確実に進めていこうと思う。



美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。