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#10 【ガンと体重の話】体重計を新調しました

2019年3月4日

3月に入って体重計を新調した。

表面はガラス製で美しいのだけど天井が写り込んでしまう。撮影が難しい。

いわゆるIoT対応の体重計で、乗るだけで測定者を判別して計測、データをWi-Fi経由でクラウドに自動転送し、スマホのアプリで確認することができる。

体脂肪率や骨格筋率やら内臓脂肪やらBMIやらといった細かいデータもお手のもの。今まではそれらの数字も含めてスマホへ手入力していたので、より気軽に数値を管理できるようになった。たかが体重計でもこれだけ進歩できるのね、なんだか感心してしまう。

体重計を新調したと言っても、気合いを入れてダイエット!というわけではない。あくまでも行いたいのは体重管理だ。

さっそく量った今朝の体重。

ガンになったら体重が落ちるというが、現時点では僕の体重は増えている。
ガンが発覚してから数字としては約2kgの増量だが、体感的にはもっと増えているように感じる。

しかし問題なのは体重よりも体脂肪率。この1ヶ月で一気に6%くらい増えていて正直ビビった。
筋肉は脂肪に比べて比重が高い。筋肉量が減少して脂肪が増えているから総合的な数字にはさほど反映されていないのかもしれない。


もともと僕はマラソンが趣味で、月間走行距離200km前後をコンスタントに走っていた。年に数回はフルマラソンにも出場していたし、サブフォーと言われる4時間切りを達成したこともある。

しかし癌が発覚した2月に入ってからは全くと言っていいほど走っていない。以前の記事にも書いたのだけど、ハードに走った後には身体の免疫が低下するようで体調を崩してしまうことが多く、現段階でそうなると一気にガンが進行してしまうような気がして単純に走るのが怖いからだ。

まあだったらハードな練習は控えてそこそこに走ればいいんじゃね?とも思うのだけど、どれくらいの練習量を「そこそこ」というのか。例えばのんびり20kmくらい走るなんてのは僕にとっては「そこそこ」だけど、全くランニングをしない人にとっては途方もない距離に感じるのではないだろうか。それなら5kmならいいのか?10kmだったら?その匙加減がわからないのでどうしても及び腰になってしまう。

今までコンスタントに積み重ねてきた月間走行距離200kmという数字を消費カロリーに換算してみると15,000kcalほどになる。人間の脂肪は1kgが約7,200kcalだから、僕は毎月のランニングでおよそ2kgの脂肪を燃焼し続けてきたわけだ。それがガンになった途端にいきなりゼロになってしまったわけだから、同じ食生活をしていても消費されなくなった2kgの脂肪が毎月身体に蓄積されていくことになる。ああだめだ、そりゃ太るわな。

それに加えてガンに打ち克つためには体力が必要とばかりに、従来のランナー体型を維持するために課していた食事制限も解禁し、食事量もしっかりと、なんでも満遍なく食べるようにしている。
美味しい食事を毎回たらふく食べられるのは幸せなことこの上ないが、喜びを感じているのは僕の脳だけでなく内臓組織も同様らしく、せっせとせっせと内臓脂肪の貯蓄に余念がないようだ。ここにきて急激にズボンのベルトがきつくなっている。


本格的なガン治療が始まれば嫌が応にも体重は落ちるそうで、おそらく10kgは減少するとは思います、とは担当の先生の弁。
3ヶ月の治療で10kg落ちるってどれだけ辛いんだよ。

中咽頭がんの場合は放射線を喉に当てるわけで、中盤〜後半にかけて唾液が出にくくなる、口腔内が爛れる、味覚障害が起きるのなどの副作用が出てくるそうだ。当然それらは食欲にも影響を与えるだろうし、水を飲むのも痛くて辛い、なんて体験談も聞いたことがある。

そんな話を聞いてしまうと思わず身構えてしまうが、しかしどうせ辛い思いをするんだったら、せめて体重減少するくらいのベネフィットがないとやってられないよな。決して健康的な痩せ方ではないけれど、せめてもの楽しみとして前向きに捉えていこうと思う。


しかし万が一、全然痩せなかったらどうしよう。
ガンの治療がスタートしても体重も体型も何も変わらなかったりして。

何も変わらないだけならまだいい。むしろガリガリだけどお腹ぽっこりみたいな、筋肉だけゲッソリ落ちて内臓脂肪はバッチリ残るタイプの痩せ方が最悪だ。偏った糖質制限ダイエットで失敗するとそんな体型になりやすいけれど、ガンになった挙句にそれではまさに目も当てられない。

しかも抗がん剤の副作用で髪の毛も抜けていったりして、うーん、想像しただけでもゲンナリだ。できる限りは筋トレでもしたほうがいいのかな。でも筋トレによって分泌されるテストステロンが前立腺がんに対してがん細胞を増殖させる性質があるという話を聞いて若干ビビリ気味、軽い筋トレすらも躊躇してしまっている。中咽頭がんには大丈夫なのだろうか。今度の検査の際に確認してみようと思う。


美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。