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#08 決戦前夜の肩透かし感

2019年2月28日

朝イチで妻から洗濯機が壊れたとの報告。
結構前から洗濯のたびに緊急停止を告げるアラームが数回鳴り響くような調子で、そろそろ寿命かと思っていたのだけど、今朝早々についに寿命を全うした模様。
今日は午後から大学病院に検査結果を聞きに行くために1日オフにしていたので、午前中に新宿まで洗濯機を買いに行くことに決定。

現在使用しているのはドラム式の洗濯乾燥機なのだけど、サッカー好きな小学二年生の息子がそう遠くない将来、洋服をドロドロに汚して帰って来るであろうことなどを見越して、ドラム式より汚れが落ちやすいという縦型の洗濯乾燥機を購入。

しかし今時の家電は色々進歩してるのね。売り場をちょっと見渡しただけでも、天井からぶら下がっているPOPにはIoTやらなんやらとハイテク系キーワードのオンパレード。
それはそれでワクワクする素敵なことなんだけど、とどのつまり便利な機能が色々と追加された分ちょっとしたところが壊れやすくなって、総合的な家電の寿命は短くなっているような気もする。
消費者の一番の望みは丈夫で長持ちに尽きるのではないかと思うのだけど。どうなんだろう。


買い物も終わり、妻とランチを楽しんだのちに病院へ。

胃カメラ終了直後に言われた通りに検査結果は良好で、胃にも食道にも転移は見られなかったとのこと。
特に食道は場所が近いのもあって、中咽頭がんの患者は40%の確率で食道がんも併発するそうだ。

転移してない60%に入っていて良かったですね、転移してたらもっと大変なことになってましたよ、なんて軽く言われたけれど、40%ったら随分と高確率だな、ほとんど半分の確率じゃんかと軽くビビる。事前にそんな話を聞いておかなくて良かったかも知れない。

カメラで撮影したガンの写真も見せてもらった。これがガンですと指し示めされた部位には奇妙な形の肉塊が写っている。形は奇妙だけどツヤツヤした健康そうなピンク色で、特に他の部位と比べてみても違和感もなく、あまり禍々しい雰囲気も感じない。
コイツが俺の身体の中で悪さをしているヤツなのか、他の細胞と何が違うというのだろうか。

一応スマホで撮影させてもらったけど、あまり見て楽しいものでもないような気もするので公開は自粛します。ごめんあそばせ。


検査結果を聞いたのち、頭頸部外科へ移動。

明日以降のスケジュールについてのお話を、ということだったのだけど、本当に単なる確認というか、何を話すわけでもなく5分も経たずにすぐ終了。

明日からいよいよ治療スタートと思っていたのだけど、明日は結局これから受けていく治療に対しての検査というかチェックをおこなう程度で、本格的な治療は来週以降にまたスケジュールを決めて連絡しますよ、とのこと。

まあ5日までにはまたこちらから連絡します、もし7日までに連絡なかったら病院に電話してください。なんて平然と言われてしまったけど、なんだそりゃ?また1週間何も進展がないままで放置されるのか俺は?っていうか7日までに連絡がなかったらってどういうこと?まさかうっかり忘れちゃうかもしれないからそん時はお前が連絡してこいってことか?

流石に解せない気持ちもあって、そんなに延び延びにされて大丈夫なのか、その1週間で悪化したり転移したりしないのかと問うたところ、これくらいのガンだったら問題ないです、そんなもんですよとの飄々とした返事。

好意的に解釈すればそれほど治療を急がなくてもいいくらいに良好だということなのだろう。
病院だって忙しいのだろうし、緊急性の高い患者から優先順位を高くおく必要があるというのもまあ理解はできる。

しかし何だろうかこの肩透かしを食らった感じは。
こちらは決戦前夜のような心持ちで覚悟を決めて病院を訪れているのだが、医者にしてみれば比較的軽症な、よくある初期発見のガンのいち症例に過ぎないということなのだろうか。

医者と患者の気持ちの温度差が如実に表れているようでもどかしい。
果たして治療が進んでいくことで、この温度差が融けあってひとつになる時は来るのだろうか。

美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。