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#07 変わるもの、変わらないもの

2019年2月26日

代わり映えのない穏やかな日々が続く。
代わり映えのない、というのは適切な表現ではないかもしれない。週末は名古屋へ出張し、会いたい人に会い、伝えたいことを伝え、美味いものを食べていっぱい笑った。やるべき仕事はたくさんあるし、実現したいアイデアもたくさん湧き出てくる。そういった意味ではなかなか忙しく、なかなか充実した毎日を過ごしていると言える。

代わり映えしないのはガンの症状だ。首元のしこりは少しずつ大きくなっていて、今では知らない人が見てもその存在に気がつくかもしれない程度には目立つようになってきた。しかし相変わらず痛みも自覚症状もなく、特段禍々しいオーラを発しているわけでもない。ただそこに鎮座しているだけのおとなしい存在だ。
ガンというのはこういうものなのだろうか?もっと激しい痛みや吐き気にのたうちまわるような恐ろしい病気をイメージしていたのだけれど。
もちろん発現部位や進行具合によって変わってくるのだろうし、自分はラッキーなくらいなのかもしれないけれど(ガンを患った時点ですでにラッキーではないとは思うが)まあ何も症状が出ていないおかげでこれだけ日常をつつがなく過ごせているわけで、その点は感謝しなければいけない。
でも感謝って誰に?がん細胞か?まさか!


最近は鼻血が出やすくて困っているのだけれど、でもおそらくこれはガンのせいではない。元々僕は軽い鼻中隔湾曲症で鼻血が出やすい体質だからだ。

鼻中隔湾曲症というのは鼻の穴を左右に分けている壁の部分(鼻中隔)が曲がっている症状のことで、日本人の9割はそうだと言われてるくらいにメジャーなものらしい。ただ僕の場合はちょうどその曲がって壁の薄くなっている部分が動脈に干渉しているらしく、ちょっとの刺激ですぐに出血してしまう。

対処方法は至ってシンプルで、早い話がレーザーで鼻の奥の動脈を焼き潰してしまうというもの。想像するだけで痛そうな手術だが、当然麻酔をしているので痛みもなく、ほんの数分で終了する。そして効果はてきめんで、手術後は嘘のように鼻血も出なくなって毎日がすこぶる快適となる。

しかしこの手術にも弱点があって、何年かたつとまた身体が血管を修復して元に戻ってしまうのだ。だから数年おきに同じ手術を受け続けなければいけない。

前回の手術が何年前だったかもう覚えてはいないのだけど、タイミングの悪いことに今頃がちょうど血管が修復してくるサイクルなのかもしれない。
抗がん剤の副作用で血小板が減少して血が止まりにくくなるというのがあるらしいので、このままでは鼻血がなかなか止まらなくなって日常生活や業務に支障が出る可能性がある。治療が始まる前に早めに対処しておこうと思う。

今度の木曜にまた大学病院へ行って、金曜からいよいよ治療がスタートだ。
ガンの治療を受けることで、自分の中で何が変わるのか、何が変わらないのか、しっかり受け止めていかなくてはいけない。頑張ろう。


美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。