見出し画像

#038【治療終了5日目】とりあえず現状の報告など

2019年5月20日

15日を持って35回の放射線治療全てが終了し、晴れて自由の身となった。ついに治療から解放されたのだ。
しかしそこに清々しさは全くなく、あったのはひたすら副作用が辛くて伏している日々。まさに満身創痍、肉体の許容範囲限界まで放射線を浴び切り、蓄積し尽くした結果のような吐き気と重だるさにここ数日は支配されていて、ひたすら就寝、何もする気が起きなかった。

昨日辺りからようやく回復の兆しが見えてきた気がする。しかし抗ガン剤の副作用は投与後2〜3週間がピークだというから、放射線の副作用が収まった頃に今度は抗ガン剤の副作用が襲ってくるのかもしれない。怒涛の波状攻撃だ。治療が終わっても全然休まる暇がないじゃんか。

とりあえず目下の悩みは食事で、口内炎の痛みと唾液の減少、あとは味覚障害のフルコンボでなかなか思うように摂ることができない。特に味覚は全く戻る気配がなく、食事へのモチベーションは大幅に下がったままだ。あんなに食べるの大好きだったのにね。味を感じるという、普段意識すらしないような人として当たり前の機能が、どれだけ人生において大切なことなのかというのが今回よくわかった。まあしかし辛いけれどもしょうがない、あとは味覚の回復を信じて、いろんなものにチャレンジしていくしかない。

今朝の体重は63.9kg。食事が摂れないことに伴って体重も減少し続けていて、ついに64kgを割り込んでしまった。高校生の頃と同じ体重だぜ、笑ってしまう。当時は水泳をやっていたのもあって筋肉の塊のような感じだったけど、現状では筋肉量が落ちまくってのこの数字、悲しいかな同じ体重でも体型が全く違う。ただの貧相なガリガリおじさんだ。日常生活に差し障るレベルで体力が落ちている。まずは標準体重の68kgを目標に、少しずつでも体重を戻していかなくては。

そんなこんなで体調の優れない日々を過ごしているのだけれど、それでも治療の全てを乗り越えたという意義は大きい。少なくともこれ以上悪くなることはないという安心感は副作用が続く日々に置いて最後の拠り所であり、身体回復のモチベーションを保つ橋頭堡でもある。

癌患者のことをサバイバーと呼ぶそうだ。一度癌を発症してしまうといつでも再発し得るし、あるいは今回の癌とは全く違うプロセスで新しい癌に罹ってしまう可能性も出てくる。もちろん誰だって癌にかかる可能性はあるのだからそんなことを言い出したらキリがないんじゃね?と思うのだけど、何しろ一度癌を発症させた以上、今後は癌を内包させながら共生し、常に癌と向き合いながら生きていかなくてはならない、という意味合いでサバイバーという言葉が使われているらしい。

なんだかいまいち釈然としないというか、色々と不本意な呼ばれ方のような気もするが、まあそれならそれでいいだろう。がんサバイバーとして生き残るために、なすべきことをなしていく。今できること、それだけでも。自分を信じて頑張ろう。

美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。