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コーチがこっそり教えるアジャイルの小噺-肉じゃがとゴミ捨て編-

IT業界にいれば自ずと耳に入ってくる「アジャイル」。カタカナだし、なんとなく技術屋さんの言葉でしょ?とよく言われます。
いえいえ、違うんです。私には関係ないわと思われている方が多いかもしれませんが、実は誰にとっても、身近な存在の考え方だということを知ってほしいなと思います。主婦の方でも、子供でも、アジャイルは身近なものなんです。実現もできます!

そこでアジャイル小噺第一回目は、アジャイルの説明をできるだけ簡単に、身近な日常を例に説明してみたいと思います。

英語の辞書をひくとAgileは「素早く、簡単に動けること。」とあります。日本語にすると「機敏な、俊敏な」と訳されることが多いです。

素早く、簡単に「動ける」

おお、身近だっ!だけど身近すぎて逆にわからない笑
では、素早く簡単に動けるには、何が必要でしょうか?
何に対して動くかという「明確な目的」が必要そうですし、動くための「筋肉」も必要だし、動く「方法を知る」ことも必要そうです。動いた「記録」や、「準備」、「調べる」ことがあるとより早く動けるかもしれません。(きっともっといろいろありそう)

そう、人がより早く簡単に何かしようと思うとき、経験して、知識をためて、改善して、より良い状況を生み出していくという営みが入るだろうと思います。要するに、

適応していく! ということなのです。

例えば、料理。
恋人に肉じゃがを作りたい、料理新米一人暮らしの社会人がいたとしましょう。
この時点では、まだ何も作れないのだけど、まずは適当にクックパッドで検索して、レシピを選んで、作ってみるでしょう。
されど実際作ろうとしたらうまくできなかった。

グツグツいう鍋に焦って、醤油を計量した後のスプーンを、そのまま砂糖ケースの中に突っ込んでしまったり、男爵を入れたがために仕上がった頃にはホロホロと煮崩れてしまったり。
誰でも最初は手間取って時間も思いの外かかるものです。
(本当は早くきれいにやりたかったのに。)
”やっぱり私は焦っちゃうとダメだから、最初から計量してボウルに入れておこう・・”とか、
“やっぱり私は手料理なんてするもんじゃないや”そんな振り返りを自分の頭の中で行うでしょう。

さらに、食べてもらう段になった話。
相手は喜んで食べてくれたものの、出来た肉じゃがは、相手の好みの味にドンピシャではなかった!
相手は実は薄味が好きで、牛肉じゃなくて豚肉が好きだったというではないか。
”あ〜なんだ、知らなかった。定食屋ではガツガツ食べてたから牛肉の濃いめが好きだと思ってた。じゃあ次はそうしよう。”

その後新米社会人さんは、次以降恋人に肉じゃがを作る時は、薄味にしてみたり、肉は豚肉に変更することもできていきます。計量しやすいレシピもクックパッドで探したりして「簡単に素早く」できていく。
でもこれはやってみないと分からないことです。正解が見えないような複雑な状況のとき、やってみて探ってみるっきゃない場合、「まずは見立てから行動する(きっと牛肉の濃いめの肉じゃがが喜ばれるという見立てと、それを確かめる行動)」をやってみようよが大事だったりします。この新米さんは、兎にも角にも「作ってみる」「食べてもらってみる」という、ちょっとした挑戦をしたから、反応が得られた。そこからどうするか?の選択もそこから広がる訳です。

そうして、「恋人に、より美味しい料理を食べてもらう」ということに対して新米さんは、自分の作り方を改善することもできるし、辞めることもできる。
こういう態度、あり方、マインドなどを含めた概念のことを「アジャイル」と呼びます(アジャイルな、とかアジャイルであるという使い方をします)

そのほかにも例あります!
とある夜、妻に「ゴミ捨てといて。」と言われて、夫がゴミ捨てにいきました。そして戻ったら、怒られた。
「なんで生ゴミも一緒に捨ててくれないのよ〜!!」

”・・ちっ、最初から言ってくれよな。”

と夫さんの声が聞こえてきそうですが、次からは生ゴミもチェックしてゴミ捨てをするでしょう。あるいは、“ゴミ捨てのあり方”や、“満足できるゴミ捨ての条件”について、会話が始まるかもしれません(笑)

これらも一種「夫婦穏やかに夜を過ごしたい」ことへの適応。
(私の妄想は続きますがこの辺りでやめておこう。)

ありたい姿に合わせて「こうだろう」と思ったこと(仮説やアイデア)を、実際に(できるだけ小さく)やってみることで確かめて(検証し)、「実際どうだったの?相手は喜んでくれたの?」の差分を経験から学び(振り返り)よりよく(適応)していく。

このように、皆さんの生活の中にも実はアジャイルはあって、常に学びを与えてくれます。
やってみないとわからない、複雑なことを相手にする場合は、実行しながら学び、よりよい状態へ向かっていく「アジャイルな精神」を持って、行動に移してみるのはいかがでしょうか?^^

次回は、始めようと思っても始められない、あるいはちょっとやっては元に戻るホメオスタシス効果について小噺したいと思います。


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