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コーチがこっそり教えるアジャイル小噺-チャレンジの前に戻る?それとも・・-


チャレンジしたはいいものの、うまくいかない。

ーーこれはきっと、新しくいろいろ手をだしたからいけないんだわ!!
私たちには新しいものじゃなくて、これまで慣れてきた方が、多少不自由でもいいのよきっと。

痩せたくて辞めようと思っても、チョコレートが止められない。何かを変えなくてはと新しいことをしたのはいいけど、早々に嫌な経験をして外部環境に悪態を着きながら元の生活に戻るーー多かれ少なかれそういったことは誰でも経験があることな気もしますが(笑)、
この”環境を元の一定のリズムに戻そうとする揺り戻しの現象”ホメオスタシスと呼ぶそうです。(生物学的なものと心理学的なものとどちらでも使用する言葉のようです。)

組織の中でも似たような状況に遭遇することがあります。マイクロマネジメントと、ある程度現場に任せる自律型マネジメント。チーム活動で言うと、新しいスクラムを取り入れたが、我流ウォーターフォールに戻ったりする流れ…。
新しいやり方でやってみたものの、仮説やありたい姿を定義・俯瞰しないまま、目の前のやりにくさを短期的にみて判断されるのは、組織学習がないのに等しい。

たとえば、「スクラム始めたら●●ができなくなった」「計画に時間がかかるから非効率」「なんで計画を他の人につまびらかにして他の人に合わせなくてはいけないのか」

いや、そうですよね、気持ちはよくわかる。お疲れ様です。。と思いつつも、よく思うのは、ほんとみんなこれほどまでに「できるようになったこと」よりも「できなくなったこと」に目が行くのか、ということ。もう少し言うと、-から+になったことは、よくトラッキングするチームいるんですが、0から+になったことは、あんまりトラッキングされない。

日本人って、本当に真面目というか、短期的な、キチキチっとしたところに目が行きやすいなぁと思います。
それほどこれまで慣れてきたものを変えるというのは、キツイですよね…

そんなときは一度立ち止まってみて、導入するときに目指した「ありたい姿」と「現状課題」をよくよく整理してみることをおすすめしています。

私たちはどんな癖や仕組みからこの課題が生まれてきていたのか?
私たちはありたい姿から、今何号目ぐらいまできていて、何に向き合っているのか?
この状況は、何を教えてくれているのか?

新しいチャレンジには失敗やリスクがつきもの。もし、選択として「元のやり方に戻りたい」と思った時、それを「ダメなことだったから元に戻す」ではなく、
「学びや気付き」を生かした形でぜひ「進化」してほしいと心から願ってやまない・・

あなたの中に(=あなたのチーム・組織の中に)「実現したいありたい姿」があるなら、漸進中にホメオスタシスは厄介な邪魔者になってしまうことがありますので、注意!

次回の小噺は「前提を疑う妙技!」について話してみたいと思います。

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