読書録: 『世界的優良企業の実例に学ぶ あなたの知らない マーケティング大原則』

 先週の「劇薬の仕事術」に続いて、足立光氏の著作を読んだ。製品戦略やコミュニケーションなど、マーケターが従事するであろう業務について、著者が体得した「原理原則」が、実例と共にまとまっている本。

 コンセプトを考える際の「ABCDE」要素や、「9セグマップ」という顧客セグメントわけの手法といった、「自分の業務にも応用できそうな仕組み」が豊富に書かれているかと思えば、「ビジネスを伸ばすためには、CRMよりも新規顧客の拡大に注力したほうが良い」「利用するメディアは、カネがかからない順番から考えるべき」など、いわゆる「通説」とは反する「原則」が述べられていたりして、とても面白かった。バイロン・シャープの「ブランディングの科学」という本と、似ている部分を感じたのは、著者がP&G出身だからなのだろうか。

 通読して、頭の中に引っかかりを作ったうえで、自身が業務に携わる際、初めに該当箇所を読む、というような使い方をする本であるように感じた。

 こういった本を読むたびに、「マーケティング」という業務の幅の広さと深さを感じる。自分が「マーケター」を名乗るには、経験も実績もまだまだ足りないな、という思いが深まる一冊だった。

おすすめ度: ★★★★☆


 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?