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今更だけど『嫌われる勇気』を読んでーー生きやすさは「課題の分離」にある

最近寝る前に大ヒットセラーの『嫌われる勇気』とその続編の『幸せになる勇気』をぱらぱらと読み返しています。『嫌われる勇気』の方は一年前くらいに読んで、そこからしばらく放っておいてました。

でも再び読んで、ああこれはなんども読み返すべき本だ、というか、読み返していくところに価値がある本だな、と実感しました。

『嫌われる勇気』では一見当たり前のことも書いてあります。読むと「なるほど確かにそうだな〜」と思うことも多い。でも、それを日常でやっていかないと意味がないというか、この本の真価はそれを日常に落とし込むところにあります。

「叱らない・褒めない」「幸せを感じるには他者への貢献感を持つこと」「過去を元に今を解釈しないこと」などなど、『嫌われる勇気』には様々な「はっ」とするポイントがありますが、以下では特に私が印象に残ったことを綴っていきたいと思います。

「課題の分離」と「踊るように生きる」ことについて。


「課題の分離」で、生きやすくなる

私がこの本を読んだあと、一番日常に取り入れていきたいなあと思った考え方は「課題の分離」です。

よく親が子供に「勉強しなさい」って言いますよね。のび太くんのお母さんがいっつも言っているみたいに。

でもあれ、アドラー心理学的にはNGだそうで。なぜなら勉強をしないことによる結果ーーいい大学に行けないとか、受験生になって苦労するとかーーを被るのは、その子の親じゃなくてその子自身だからです。だから親は、子供の課題には介入してはいけない。

私は人に感情移入しやすい方で、周りの人が悩んでたり落ち込んでたりするとけっこうそれに引きずられます。

もちろんその分親身になって話を聞くことができると思うんですが、その人が帰ってからもブルーな気分が続くのはちょっとしんどい。

そんなときは「課題の分離、課題の分離・・・」と唱えることにしています。あと、逆に自分が相談してあんまりわかってもらえなくて無性に寂しくなったとき、「でもこれは私の問題だもんな・・・」と考えるようにしています。

そうすることで、必要以上に誰かに引きずられたり、孤独を感じることがない。

人に感情移入しやすかったり、引きずられてしまう人は楽になる考え方だと思います。


踊るように生きる

『嫌われる勇気』においては、過去を今に持ち込むことを否定します。いわゆるフロイトのトラウマ的考えは通用しない。

「子供の頃お母さんが、あんたはほんとどんくさいんだから、と言い続けたから、だから今の俺は自分に自信がないんだ」というのは通用しません。

本の中で哲人は「踊るように今を生きよ」と言います。

踊っているときって、どこかにたどり着くために、移動するために踊っているわけではないですよね?

リズムにのったり、足を高く上げたり、指先をしなやかに動かしたり。そっちの方がよっぽど大事。

生きることも同じで、今を生きている結果どこにたどり着くかは、問題ではないんです。

私はこれを読んで村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』を思い出しました。主人公の僕は、大切な人を失い続けて、自分が何を求めているのかわからず、何かを求めて生きるーー生を輝かせることができません。

そんな僕にあっちの世界で羊男は言います、「踊り続けるんだよ」と。立ち止まらないこと、と。

私は『嫌われる勇気』の「踊るように生きる」を読んで、真っ先にこの羊男の台詞が浮かびました。そして、羊男の台詞が腑に落ちた。

本を読む面白さって、思いもよらない本と本がある日偶然繋がって、それでより深く理解できるところにあると思います。

心と頭が過去や未来を彷徨っているとき、私はそっと目を閉じてくるくる回っている(笑)自分を思い浮かべます。

どこにたどり着くかは、足がどこの地面に着地するかは、関係ないんですね。ただ、踊り続けるということ。

★★★

私は『嫌われる勇気の』著者、古賀さんのエッセイが好きでよく読んでいます。何だろう、自然体で、それでも当たり前だけれど忘れていることに気づかせてくれるような、文章で。

すごく誠実な人なんだなあ、というのが伝わってくる。私も誠実な文章を書き続けていきたい、と身がピリッと引き締まります。

古賀史健 (fumiken)|note

それでは、また。



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