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内向的・外向的のちがいは刺激に対する反応のちがい。『内向型人間のすごい力』感想とレビュー

前にブログを読んでいたら『内向型人間のすごい力』がおすすめされていて、気になって読んでみたら目からうろこだったので、私も紹介していきたいと思います。

外向的(extravert)か内向的(introvert)かというのは、今まで自分がどっちなのかって意識したことがなかったのですが、この本を読んで自分は内向的よりだということがはっきりわかりました。

もちろん人のパーソナリティを簡単に二分することはできないけれど、革新的か保守的か、おしゃべりか聞き役かなど、いくつもの二分要素の軸を持っていると自分やまわりの人のマッピングができるので、持っておくことに越したことはないですね。

さて内向的人間について読んで何が目からうろこだったかというと、「人によって刺激に対する反応の大きさがちがう」ということです。 


刺激に対する反応が大きければ内向的、小さければ外向的

刺激に対する反応の話に入る前に、そもそも外向的・内向的とは何ぞや?という話をしましょう。この本で述べられている外向的な人の特徴は

・すばやく行動・決定する

・一度に複数のことをこなす

・お金や地位などの報酬を求める

・仲間を強く求める

であり、内向的な人の特徴は

・ゆっくりと慎重に行動する

・ひとつの作業に集中するのを好む

・少人数でのおしゃべりを好む

・ひとりの時間を楽しむ

などです。(本の中では自分が外向的か内向的かを確かめる簡単なチェックリストもあります)

そして外向的か内向的かということに、刺激に対する反応の大きさが関わってきている。

刺激というのは日光や電気など光の刺激、騒音といった物理的なものもそうだし、初対面の人に会うときの緊張やわくわく、大勢の前で話すときの不安や高揚感といった心理的な刺激も含む。

...あれ、一見すると外向的な人の方がこういった刺激に対する反応が大きい気がしません?

でも実は逆なんです。

刺激に対する反応が大きくないから、刺激の大きいものー大勢の前で話したり、パーティーでたくさんの人としゃべったり、スカイダイビングとかギャンブルとかアドレナリンがどばーっと出そうなアクティビティーを好む。

一方刺激に対する反応が大きいから、外向的な人が好むこういった刺激の強いことは刺激が大きすぎるゆえに疲れてしまい、逆に読書や一人での時間など、刺激の少ないことを心地いいと感じるのです。

そして、人は自分がちょうどいいと感じる刺激の量を求めるんだそう。

これは脳レベルで違うらしくて、赤ちゃんでも同じ大きさの音で泣いてしまう子もいれば、あんまり反応しない子もいるという実験があり、刺激に対する反応の大きさは生まれたときから違うということが示唆されています。

私はこれを読んで目からうろこでした。

私は初めての人に会うのは、楽しみわくわくというよりは不安とかどきどきの方が多くて、会う前なんかはいやだなあ、会いたくないなあと思ってしまいます。

人前で話すのは必要に応じてやりますが、元々好むかというとそうではありません。

家の中で退屈することはなくて、むしろ家の中でやることいっぱい、本を読んだりブログ書いたり掃除したり瞑想したりhtml勉強したりとたくさんあります。

「人が一番恐れていることは退屈することだ」といわれることがありますが、私はあまりぴんとくることがありませんでした。それはこの本を読んで謎が解けました。

そっか、刺激に対する反応が大きくて、少しの刺激、他の人だったら退屈だと思う量の刺激も「楽しめる」んだと。

逆に不安を感じやすくてしんどいなあと思っていたのですが、これは小さい刺激にも反応してしまうからなんですね。

退屈は感じないが不安を感じやすいのは、自分が後からつくりあげたような、つまり後天的なものだと思ってて、特に不安を感じやすいのとか変えたいなあと思っていたのですが、この本によるとそれは元々持っている、一つの個性みたいです。

比べたってしょうがない

新しい環境や新しい人との出会いを楽しめる人、飲み会とかパーティーを楽しめる人がうらやましくて、私もそんな人になりたいなあと思っていました。

なりたいというか、そういった人にわくわくした人にならなきゃと思っていた。

私のまわりはわくわくしてる人、社交的な人が多いので。

これは『内向型人間~』の本の中でも言われているんですが、今の社会においては外向的人間の方が良しとされているんですね。

だから、内向的な人は自分を変えなきゃと思いやすい。

でも上で話したように、そもそも心地よいと感じる刺激の量が違うんだったら、外向的な人の活動レベルに合わせたところで楽しくも快適だとも感じないことがわかる。

だから、飲み会を楽しまなきゃ、とか、新しい人に会うのに積極的にならなきゃ、って無理に思わなくていいんです。

外向的な人と比べたって、そもそもが違うんだから意味がない。

それよりも、自分が心地よいと感じる環境を大事にしていく、構築していくことの方が大事になっていきます。

特に今は、そしてこれからますますネットが発達してきて、前に出たくない、目立ちたくない人も発信できることができるようになってきているから。

もちろん「自分は内向的だから」って決めつけて、これを言い訳のようにして積極的に外へ出ていくことをやめちゃうのはもったいないことだとは思います。

ただまわりは外に出ていくことに、新しい人に出会うことに楽しみを覚えている中で、自分も楽しまなきゃって思う必要はないということ。

必要に応じて外に出ていくことはするけれど、その分自分の心地いいところでしっかり休むこと。

内向的だということを悪いってとらえないようになるだけ、一つの個性だと捉えるだけで、こんなに生きやすくなるんだなあと思った次第です。

周りは楽しんでいるのに、一般的に楽しいといわれていることなのに、自分はあんまり楽しめてないな...ってことがある人、積極的に外へ出ていく人が億劫な人、そういった自分があんまり好きではない人には、おすすめしたい本です。

これは他にも内向的人間の長所をいくつも挙げているので。

もし、あなたが内向型ならば、持って生まれた能力を使ってフローを見つけよう。内向型は、持続力や問題を解決するためのねばり強さ、思いがけない危険を避ける明敏さを持っている。財産や社会的地位といった表面的なものに対する執着はあまりない。それどころか、最大の目標は自分自身の持てる力を最大限に利用することだったりする。......だから、いつも自分らしくしていよう。ゆっくりとしたペースで着実に物事を進めたいのなら、周囲に流されて競争しなければと焦らないように心がけよう。

スーザンケイン著、『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』(講談社+α文庫)

すごく勇気の出る著者のメッセージ。ペースを乱されそうになったとき、焦ったとき、不安になったときに見返したいですね。

私の今年の目標は「競争しない、比較しない」なのですが、それはこの本を読んだからでもあります。

競争しない、比較しない

このように自分(また周りの人)がどんな性格や傾向にあるのかを知っていくのは、自分の生き方を決める上でもすごく参考になりそうです。

それでは、また。

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