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ダウンコートを脱いだ日

2月もあと10日を切ったころだっただろうか、顔に当たる日の光がいつもより強く感じられたころから、少しずつダウンコートを脱げる日が増えていった。

2、3ケ月ぶりくらいにダウンコートから逃れた肩はすっきりと軽く、嬉しくなって思わずいつもより大きく腕を振って歩く。

そうだ、いつだって季節は、私の気づかないところで次の季節へとバトンを引き継いでいるのだ。

季節柄だろうか、毎日地味なようで目まぐるしいからだろうか、三寒四温に合わせて、私の気分も普段よりアップダウンを繰り返している。

昨日は落ち込んで、今日と明日は元気、明後日はまたどよんとしている、みたいに。

そういうときは、一歩一歩踏み出して歩いている足に意識を向ける。洗濯物をふだんよりきちんと畳んでみる。目の前の一字一句に集中する。

すると自ずと、季節と呼吸が合ってくるはずだから。

それでは、また。

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