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#88 ビリヤード解剖学・「手首の動作」(前編)

ビリヤードのストロークにおける重要な要素の1つに「手首の動作」があります。

手首が上手く使える事によりショットスピードやスピン量の向上等が得られる一方、意図しない動きの発生によるコジり等のショットミスにも繋がったりします。
今回記事はそんな手首の動作について、自身の脳内整理ついでに学術的探究心で解剖学的な部分も交えての考察・推論を書いてみたいと思います。

〇手首の関節について
まず一般的な知識として、手首の関節は正式には「橈骨手根関節(とうこつしゅこんかんせつ)」という名称であり、この関節は顆状関節に分類されます。

顆状関節とは、一方の骨の凸面が楕円状、対となる骨の凹面が楕円状になっていて、この二つがお互いにはまり込む関節のことをいいます。この関節は2軸性を持っているため、2軸性を組み合わせることで限定的な円運動も可能になります。

「MacDavid」HP内「手首/手指の解剖学」より
図1:MacDavid」HP内「手首/手指の解剖学」より


上記のように2軸性をもつこの関節には4方向への動作が可能であり、それぞれの動作は
①「掌屈(手のひら側への屈曲)」
②「背屈(手の甲側への屈曲)」
③「尺屈(小指側への屈曲)」
④「橈屈(親指側への屈曲)」
と呼ばれています。

手首(橈骨手根関節)で起こる運動は掌屈(屈曲)、背屈(伸展)、尺屈(内転)、橈屈(外転)です。この4つの動きを組み合わせることで円運動が可能になります。
~(中略)~
正常関節可動域 (日本整形外科学会より引用)

【手首(橈骨手根関節)】
〇掌屈(屈曲)・・・90°
〇背屈(伸展)・・・70°
〇尺屈(内転)・・・55°
〇橈屈(外転)・・・25°

「MacDavid」HP内「手首/手指の解剖学」より
図2:MacDavid」HP内「手首/手指の解剖学」より


〇手首の動作について
次に、手首の動作(使い方)について特にスポーツにおいて良く使われている用語に
「スナップ」「コック」
というものがあり、
掌屈・背屈方向の動作が「スナップ」(野球等でボールを投げるイメージ)
橈屈・尺屈方向の動作が「コック」(棒を振り降ろす・金槌を打つイメージ)
になります。

ではビリヤードの話に戻って・・・
ストロークにおける手首の主たる動作がどちらに当てはまるかと言うと、「コック」方向の動作であるとご理解いただけるかと思います。

〇手首の動作・可動域のイメージ
ここまでの説明を踏まえて、手首の動作方向や可動域は以下の図のように考える事ができるのではないかと思います。
例えば・・・
「手首を外へ30°返した時(背屈)、後方へコックできる(尺屈)可動域の最大は50°」
といった感じです!※実際に背屈30°時の尺屈限界が50°である事が正しい、という話ではありません。あくまで動作方向や可動域のイメージ化の話です。←この辺の具体的な情報を得られる文献等があれば良かったのですが、ググっても見つからず・・・

図3:手首の動作方向や可動域をグラフ化※グラフの形はあくまで1つのイメージとして・・・


一旦、前編はここまで・・・
中・後編では今回内容を元に
・ビリヤードのストロークと手首の関係性の考察
・スヌーカーやチャイニーズエイトとポケットビリヤードでの手首の動かし方と効果の考察
等々の内容あたりをうまく書けたら良いかなと考えています!

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