コミュモン、ゲットだぜ!

ピンポ〜ン。とコロナが我が家を訪ねてきたせいで、ほぼ3週間パートを休んだ。
パートを始めて丸5年。その間一度も当日欠勤させてもらうことは無かった。前にも書いたけれど我が家は家族全員本当に丈夫で健康なのである。私は自分が丈夫過ぎて過信し、こないだ2ヶ月ほど賞味期限が切れた牛乳(開封してなかったので良いかと思った←)の匂いを嗅いで大丈夫そうだと飲んだ。これは流石に腹を壊した。そらそうだ。
まぁとにかく突然、しかも長く休む事が初めてだった。うふふ、これは神がくれたシエスタかしら?と思った。

3週間、買い出し以外ひたすら家に居た。元々インドア派の陰キャなので全く苦にならなかった。むしろ誰とも喋らない事が私の心を穏やかに落ち着けてくれた。きっと思っていた以上に人付き合いに疲れていたのだ。奇しくも仕事は接客業で、若者から年配まで日々初めましてのお客様と対話せねばならず、結構エネルギーを消耗するのである。

しかし陰キャなのに何故接客業を選んだのか?それはもうタイミングとしか言いようがない。
子どもにお金がかかるようになりパートを考えていた時にママ友に誘われ、「オ、オカネ!クダサイ!!」と何も考えず応募。人手不足で即採用。知識も経験もないババアの12年ぶりの社会復帰となる。後悔先に立たず。なぜ工場や事務等、裏方の仕事をチョイスしなかったのか、採用されてからでは遅かった。

しかしこれまた予想外。
結婚出産子育てを経験した我、独身の時の私とはまるで違っていたのだ。

それは嫁としての義両親や親戚付き合いや、公園や児童館で会う幅広い年齢層のママ友、幼稚園小学校での係活動、たまに遭遇するネズミ講まがいのお鍋や無添加の化粧品を売りつけてくる妙に馴れ馴れしいママ友までも軽くかわし、子育て中の多岐に渡る人間関係の経験値は、数年で濃縮還元オレンジジュースばりに濃く得られていた。
更に転勤族だった我が家、縁もゆかりもない知らぬ土地で乳飲み子を抱えての「孤育て」の辛さと乗り越える根性、そしてどこの社宅でも必ず居るボスとの共存そしてコミュニティ。クソ面倒な細々な問題も経験したのは大きかった。

結果、低スペックネイティブ陰キャの私は、気づかないうちに恐ろしい程のコミュニケーションスキルを会得していたのである。なんという皮肉。接客…できる、できるぞ!フハハハハ!

おかげで私の接客は働き初めの頃から「お知り合い?お友達?」と言われるレベルの盛り上がり具合となる。いえ初対面です。先ほどがファーストコンタクトでした。しかし大手にお勤めの息子さんが大都会トーキョーに住み、娘のお孫さんが何人いて毎日のように遊びに来る、昨日は何枚トンカツを揚げて大変だった等を存じ上げております。
そう私は大した知識もないのにコミュ力だけで商品を売る、「コミュモン」コミュニケーションモンスターと呼ばれるようになった。

接客を重ねることによりスキルはますます上がり、去年はエリア売り上げ個人トップ10に入った月もある。え、一日中一言も喋らずとも苦にならない、陰キャオブザイヤー受賞レベルの私なのに???マジで???おかげで3000円もらいましたありがてぇありがてぇ。オカネダイスキ。人生何が起きるかわからない。あ、佐藤健とはまだ再会してないけど。

しかしそんなコミュモンもこの3週間は擬態をやめ、すっかり素の気質のショボモンに馴染んだ今、明日からまたコミュモンに戻れるのか?不安しかない。

とりあえずジムでショボモンとウォーミングアップさせて欲しいです。ピカピカ〜。

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