フローによる成長

フローによる成長 1

フローゾーンに入って成長した経験することは、子供の成長においてとても大切なことです。
「フロー状態」は、“いい気分の状態”であり、幸福を感じつつ集中力が最も高まっている状態になるため、しっかりと、このフローによる成長の経験をしていれば、場面や状況に合わせて自然と成長出来るようになっています。

フロー状態に入っている時間は、自ら成長していける状態であり、発達において無視することはできません。
情緒が不安定な子供や、集中できない子供の多くは、「不安」と「退屈」のどちらか、もしくは「双方を行き来」して、フロー状態に入ることが出来なくなっています。

このフロー状態に入れるようになるためには、子供自身が自然にフロー状態に入って成長した経験(フロー体験)を何度かさせてあげる必要があります。それは「集中して頑張りなさい。」と周囲からの働きかけで入れるものではなく、フロー状態に入りやすい環境を整えてあげることになります。
幼児期にフロー体験が出来ることはとても重要で、フロー状態は“いい気分の状態”になっていることからも、その体験をすることで子供自身が無意識にフロー状態になろうとしていってくれるようになります。
フロー体験を積めば自信がついて自己肯定感を育みますし、自尊心形態を理想の状態にし、思考をポジティブにもしてくれます。

逆に、フロー状態に入れなくなってしまうことは避けなければいけません。
その1つは「不安」状態にしてしまうことで、過干渉であったり子供自身が望んでいないのにどんどん教え込んでしまったりすることで「不安」を助長してしまうことです。言われて成長する場合は、言われたことで『出来ていない・やっていない。』というマイナススタートになり、出来たとしても『ゼロ』になっただけで、やることを言われれば言われ続けるほど、自己肯定感も成長せず「不安」にさせてしまいます。
主な症状の出方としては、とても大人しく積極性を欠き臆病に見え、後題で書く「不安障害」の症状を見せます。
もう1つは「退屈」状態にしてしまうことで、あれもこれも注意しすぎて自由に出来なくさせてしまったり、ネグレクトのような放置状態にしてしまったりすることで、挑戦への機会が与えられず何をやっていても「退屈」という苦痛が慢性化した状態になってしまいます。
主な症状の出方として、落ち着きがなく多動と言われたり、ADHDと間違えられたりします。「不安」と「退屈」を行き来する子は「不安障害」の症状も見せます。

幼児期においてフロー状態に入りやすくなる環境というのは、三安(安心・安全・安定)な環境に身を置いて、少しの退屈を感じてもらうことです。
三安が満たされた環境は、そこから離れたいとは思いませんが、安定が続くと退屈にもなってきます。そうなると、人は成長しようと「挑戦への機会」を自ら作ろうとしてフローゾーンに入り、成長していきます。

例えば、集団行動に合わせられなくて療育が必要と言われた子供の場合、このフロー状態に入る経験が十分に積めていないことがあります。
それは、「不安」や「退屈」の状態もしくは、そのどちらかを行ったり来たりしている状態になっていて、フロー体験がしにくい状態になっています。こういった子供が、フロー状態になって経験を積むためには、“模倣による成長”が深く関係しています。
フロー状態における成長は、選択的思考でもって自発的に成長していきます。
そのためには、“教えられて成長”したことの多い子供は、フローゾーンに入ってもフロー状態にはなれず、自分から成長できなくなっています。
7歳頃までに必要な“模倣による成長”を多く経験している子供は、フローゾーンに入ったときに凄い力を発揮して成長します。
“模倣による成長”とは、教えられなくても見よう見まねで成長できる模倣力であり、それは創造力を育む源にもなり、経験を積めば積むほど観察力も分析力も自己解決力も身についていくものです。
フロー状態に入った子供は、成長するために必要な手段を自ら探そうとしますし、創造力を発揮して新しい手段の創造もできるため、大きな成長の可能性を引き寄せます。

つづく


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