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「高くて良いもの」をきちんとつくる誠実さ

私が仕事をしている国際空港では、毎日たくさんのブランド物に身を包んだ、いや、包まれて店を訪れる中国の御一行を見る。

そのイロトリドリのブランド物を見て、ふと考えてしまう。

本当に高くて良いものって、どれだけあるのだろうか..と。


自分の見た目を引き上げれたらそれで良い、所謂“見栄”のためという人も中にはいるんだろうから、そこに品質を求めてるかということはさて置き。

残念ながら、高くても品質の悪いものって五万とあると思う。

営業職が長かった父や兄が仕事道具としてスーツ、シャツやハンカチ、靴下などにもそれなりに投資しているものの、同じ価格帯のブランドでも質が全く違うのだ。

それを洗濯してアイロンをジュワッとかけたときのすべり具合でもそれがわかる。質の悪いものに関しては、なんだこれ、次からはもう買わなくても良いんじゃない、思わずそう進言してしまう。

そんなふうに騙された気になるとき、本当にお金が湯水のように思われる。信頼して買ったのに、ざばーーっとバケツで掃除するように、私たちのお金はまさに水のごとく、流されたんだなと。


そしてもっと残念なことに、化粧品なんてとくにそれが顕著なのだ。

化粧品は薬ではないし、その効果が証明されたものではない。だからこそ、効果が出なくても、仕上がりがきれいでなくとも、「あなたの肌には合いませんでしたね」その一言で言い逃れ出来てしまうことを、多くの化粧品会社は熟知している。

だからこそ、高いものでも、正直、えっ?と思うことがいくらでもある。某ブランドの5万円ぐらいのクリームが、千円もしない市販のクリームと成分がとても似通っていたのは有名な話だ。

しかも、人間の体にはプラシーボ効果が効いてしまう。5万円という大金を思い切ってはたき手にしたクリームをつけたとき、その高揚感でいつもより肌が良くなったように感じてしまうことがあるらしい。非常に厄介だ。

仕事上、たくさんの高級化粧品のサンプルに毎日触れ、使う。
こんなに値段するのに、こんな仕上がり?
うわー、この化粧水たっかいのにまったく潤わない...
「あの化粧品、高いだけだよ」そういう声が上がるのは、実は日常茶飯事だ。

その中でも私も含めて多くのスタッフが納得し、高くともロングセラーで売れ続けているブランドがある。


資生堂のクレ・ド・ポー ボーテだ。


メイクを普段しない方に、伝えきれないのが惜しいほど、良い!の一言だ。

特に素晴らしいのがメイク品。下地やファンデーションは、手に取り、塗った瞬間にその違いがわかる。肌にのせた後、肌の一部になっていくように伸びる。毛穴をつるんと厚塗り感なく隠す。しっとりタイプでも崩れない。さっぱりタイプでも乾かない。

photo by 資生堂

とくに3万円以上するこのファンデーションなんて、肌にのせた瞬間に内側から光ってるような肌に変わり、メイクを落とすまでずっとそれが持続する。

付けたてのツヤ感がずっと続く。

その状態を、私はこのファンデーションで初めて体感した。

口紅なども、この色を探していたのよ!を絶妙に叶えてくれる色が見つかる。奇抜な色でも浮かない肌馴染み。1本6千円しようとも手に取りたくなってしまう。

その品質は裏切らず、私たちの心を強く、強く、高まらせてくれるのだ。


資生堂はインバウンド需要が追い風となり、時価総額を更新し続けている。たくさんの中国からの新規やリピーターが毎日訪れるが、あれだと納得してしまう。

値段は張るけれども、他とは一線を画す品質。それを肌で使うもので表現すること。

“高いものをきちんと作る誠実さ”
それを感じることができるという満足。

値段が張るものを思い切って購入する時、「やっぱり高いものって違うなぁ」私たちはそう言いたいのだ。デザイン料だ、ブランドのプライドだ、知ったことではない。究極に言えば、満足を買っている。それだけ高く期待する、納得を。

それを得れるのは単純に、素直に嬉しい。取り扱い、お客様に紹介するこちらにも力が入る。

そういう企業、そういう商品と、これからもたくさん出会いたいものである。


#コラム #エッセイ #メイク #化粧品 #資生堂 #品質 #ビジネス

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