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2018/09/05 大阪台風21号・長居公園にて。

長居公園で散歩をする時、いつも立ち寄る木がある。

白い木肌。外側の皮はめくれて周りにいつも落ちている。
葉は細長く、背はどこまでも高い。
少し近づくと、鼻腔を爽やかな香りが抜けてゆく。
オーストラリアに生息するユーカリの木だ。

その爽やかな香りを吸い込みたいがためにいつも立ち寄ってしまうのだ。

2018年9月4日。台風21号が大阪を直撃した。
経験したことのない規模の台風に、あたしを含む大阪市民は右往左往したと思う。
と言うか、昨日の今日で、現在も停電のままのお家もある。
信号は曲がってしまい、お巡りさんがあちこちで立ってる誘導している。
街中にはまだ撤去できずに赤いコーンで囲まれた、ぶら下がったままの看板や室外機がある。
関西国際空港には閉じ込められた人がおり救出作業は続いている。

大きな被害のなかった我が家。
今朝はマンションの廊下に入り込んできているトタンの破片や木の枝などを掃除した。
近所の人たちも自宅周りを掃除していた。

午後には長居公園に行こうと決めていた。
昨年の台風の時にも大きな木が被害を受けて処分されてしまった。
根こそぎと言う言葉がぴったりの光景だった。引き倒されてしまった根っこはあたしの身長よりも大きかった。
あの光景を見た時に何とも言えない気持ちで胸がいっぱいになり心が折れた。
被災すると言うことはこういうことなのだ、と去年涙したの思い出した。

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いつも散歩するコースを回る。
もうそろそろ実が落ちそうだったイチョウの木が倒れている。
まだ独特の香りがしていない実がたくさん落ちて踏まれていた。

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目に入ってくる光景は心に重くのしかかってきた。
あたしよりも何十倍も背の高い木が、根こそぎ倒れていたり、ばっきりと折れてしまっている。
あたしよりも大きくても、長生きでも、台風から逃れられない。
彼らはその身を、あの風と雨に晒す他ないのだと思うと、何とも言えない想いが喉につまるようだった。
折れて倒れても、彼らには自分の身を戻すすべもないのだ。
解体されて捨てられてしまうのだろう。

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散歩の前に、Twitterを見た。
ネット中継で大阪府知事の記者会見があったようだった。
「今回の台風が万博誘致に影響することはない。」と言ったそうだ。
その言葉が眉間のあたりに詰まっている感じがした。
「ここへこい。」その言葉とともに吐いてしまいたかった。

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しばらく進むと、いつものユーカリの場所へたどり着いた。
1本が根っこから倒れ、別の木に寄りかかっていた。
何十メートルもあるその身をまっすぐに、ただただ静かに寄りかかっていた。
涙が滲んで鼻をすすった。
あたりには鼻を抜ける爽やかな香りが漂っていた。

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長居公園内はたくさんの木が倒れています。
行かれる方はご注意ください。植物園内の森の木もかなり倒れたり折れたりしているようで今日は臨時休園でした。
いつまで休園かはまだ目処が立っていないようです。
今一度、万博誘致にこれ以上予算を割くよりも、大阪市、大阪府のあちこちに残る先日の地震と今回の台風の傷跡、こちらの修復、復興に予算と力を回していただけるよう願っています。

ツイキャス(ネット中継)で今日の長居公園を回りました。
動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

https://twitcasting.tv/chimakoh/movie/490935543

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