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子どもと過ごす中国の長い夏休みを考える

中国の学校の夏休みは2ヶ月近くある。
今年私たちの住む地域は去年末のコロナ封鎖の影響を受けて前倒しになっており、6月22日の端午節から小学1年生は実質休みに入り、8月22日の新学期まで丸々2ヶ月。

私の勤務する大学は6月9日に授業が終わったので私は10日からほぼ大学に行っていない。新学期は8月14日スタートだ。

この2ヶ月の子どもと過ごす夏休み、去年冬に日本に帰国したので夏は中国国内旅行をしようと決めていた。ここ3年はコロナのために大学から休み中に1都市しか行ってはダメだと言われていたので、今年はやっと自由に複数都市を回れるということで、鉄道の旅を企画した。

寝台列車に乗り、1ヶ月かけてじっくり2つの省を訪ねて3つの山に登るという7歳連れ母子旅行にしてはかなりハードな旅になった。

四川の九寨溝や青海省の茶卡盐湖といった世界の絶景、趣ある古都やチベット寺院など子どもがもっと幼い時にはできなかった旅らしい旅ができたけれど、トラブルもあり疲れたし、四川で一日中国人の知人と一緒に観光した以外はずっと母子2人きりで孤独だった。

私は20kgの大型スーツケースを引き、時には階段しかない場所を抱えてひいこら歩き、スーツケースに振り回されてこけたり、アルパカにぶっ飛ばされたり、ヤギに蹴られたり、宿に携帯電話を忘れて予定の観光バスに乗り遅れたりした。

私しか頼る大人のいない娘は、私が転ぶたびに泣くのだった。
そして旅の後半、娘は食後に謎の腹痛を訴えるようになった。

もしかしたら、この度のスタイルは少し無理があるのかもしれないと思った。私と似たように母親がバックパッカーで、仕事のある夫を残して休みのたびに子ども2人を連れて母子旅行に出かけている中国の駐在妻さんがいるが、道中で子どもが熱を出したり高山病になったりしている。

こういう長期間移動しながら絶景や遺跡を巡るといったバックパッカー的な旅のスタイルは、幼い子どもには不向きなのだと思う。旅が好きで休みになれば動かずにはいられない体質の私やこのバックパッカーママさんのような人は、長い休みに家でじっとしてるなんて考えられない!と行ってしまうけれど、子どもはきっとそんな旅は望んでいない。

思えば小学生の夏休み、私は離島のおばあちゃん家で過ごすのが大好きだったし、家にいる時も朝ラジオ体操に行って昼は学校のプールに行って夕方は家の近くで友達と遊ぶ。それだけで十分に楽しかった。
暇は子ども時代の宝だよね。

大抵の小学生以下の子どもは車窓の景色にも世界の絶景にも当然遺跡や古都の街並みなどにも興味などないし、それよりおじいちゃんおばあちゃんと過ごしたい、友達と遊びたい、プールや海に行きたい、遊園地に行きたい。そんなものだ。

娘が5歳の時も6歳の時も1ヶ月近くの長い旅をしたけれど、大学からの御触れもあって1都市にステイして基本は遊園地や水族館、プールなど子どもの行きたいところに行っていただけだった。住んでいる地域が遊ぶ場所やおいしいものの少ない田舎なので、あえて大都市に滞在しているだけ。

今回のようないかにも旅といったスタイルは初めてで、そしてまだ幼い娘ともう若くない40代半ばの女1人ではやはり無理があると感じさせられた旅だった。

私はもう20kgのスーツケースを持ってウロウロする力がない。(悲)子どもを振り返りながら地図を見ながら荷物を持って見知らぬ街を歩くのが疲れる。目が2個じゃ足りないし首を回しすぎて首が痛い。腰も痛い。

このような旅をするなら男手が必要。現地語ができる男なら尚更いい。
子どもは旅の途中にもばあばとお買い物行きたいな〜とか日本の鉄棒やりたい、などと言った。

反省。私のしたい旅に娘を連れ回すのはもっと大きくなるまでお休みしよう。今の娘に合う長期休みの過ごし方をさせてあげよう。小学生の夏休み冬休みは大切だ。学びと人との触れ合いがあるのがいい。

日本に帰国して小学校体験入学。祖父母と過ごす時間。友達と遊ぶ時間。それ以外にはサマーキャンプはやはりいい過ごし方だと思う。インスタでバリ島のgreen campというのに子どもを参加させている人がいた。

バリ島は夫とよく長期滞在したお気に入りの場所。これはいいアイデアだと思った。5日間ほどのキャンプに親子で、子どもがもう少し大きくなれば子どもだけで参加させて、あと少し旅をする。

農業体験や森林ハイキング、何かを作るアクティビティ。年齢や国籍の違う人々の交流。新しい友人ができるかもしれない。

今度の冬休みは友人のいる香港で少し遊んでから日本に帰国する予定。日本では農家泊などもしてみたい。夏休みが終わる前にもう冬休みのことを考えている。いつも休みが長すぎて新学期が近づいてもなかなか仕事モードになれない。


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