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「ラブライブ!スーパースター!!2期」の良くなかったと思うポイント(と感想)

という表題なので、ネガティブな記事になります。


こんにちは。ラブライブシリーズ第4作品となる「ラブライブ!スーパースター!!」の2期が先日終了しました。ニコニコ動画での生放送アンケートにおいて「1.とても良かった」が異次元の数字になるなど、やや厳しい目で見られていたのが印象的です(もちろんこのアンケートをどこまで信じるかは人それぞれですが)。

私は毎クールこんな感じで視聴完了したアニメに感想を付けているのですが、今クール(2022夏)分はこのアニメを除いて既に20,000字を超えているため、今回はこのアニメを個別に書いておこうと思います。前クールにも虹ヶ咲の最終回批判ブログを書いたのですが、深い意図はありません。

こんなタイトルで書くとスパスタアンチに思われそうなので一応自分の立場を表明しておくと、1期は最高評価に置き1stライブツアーにも行ったくらいにはスパスタが好きでした。

では本題、「『ラブライブ!スーパースター!!2期』の良くなかったと思うポイント」について書いていきたいと思います。


①ごちゃついていた脚本

この作品において、以下の要素がメインに据えられていたと思います。

・1年生と2年生のパワーバランス
(昨年東京大会の準優勝vs初心者、9話における平安名すみれによる1年生切り捨ての提案)
・勝ちに対する意識
(1期最終話で渋谷かのんが気付いた「勝ちたい」という意識、とある事情で「低レベルな大会」で勝つ必要があったウィーンマルガレーテの対立構造)
(クゥクゥ強制送還の恐れを感じた平安名すみれによる9話以下略)
・渋谷かのん留学
・ラブライブ東京大会リベンジ→全国大会

これらを1クールに収めようとしたのがまず絶対的な間違いだったと考えます。この4つの要素は、どれか1つを中枢に据えておくならスッキリした脚本になるかもしれないですけど、どれもこれも重要な要素だから全部入れちゃったのかもしれない。...…いや渋谷かのんの留学は必要か?

確かに1期は「渋谷かのんと歌」というところにフォーカスを当てた話が多く、人によってはその点が気に入らなかったことも考えられ、濃厚な話で殴りかかろうとしたのは正解だったかもしれない。しかし、他3つは擁護できても、必要あったのか甚だ疑問になる留学の話はどうだったのか。
このアニメは、1期だと「過去のラブライブの良い所を掬い取り、悪い所を希釈したアニメ」という印象を持っていました。スーパースターはラブライブシリーズの虹を除く過去2作品と系譜だと思いますし、先の印象は間違った感想でもないと思います。
それを考えると、留学は南ことり、ラブライブに優勝はしたけど新展開があるという終わり方は無印2期最終話、ライバルキャラが案外で終わっちゃったこと、1年生の安易で雑なキャラ付けはサンシャインを思いだしました。

1期を「過去のラブライブの良い所を掬い取り、悪い所を希釈したアニメ」とすれば、2期は「過去のラブライブの悪い所を掬い取り、良い所を希釈したアニメ」となってしまったところはあると思います。その主たる原因は、あまりにも色々なことをやろうとして1クールに収めるには難しくなり、結果として煩雑で最悪な出来とすら言われても、擁護をすることは難しいレベルの脚本にあると考えます。


②キャラクター

②-1:1年生(2期生)の極端なキャラ付け

1年生は4人入会しましたが、その4人はかなり極端なキャラ付けをされていたと思います。偏見に満ちたおおまかなキャラ設定を書き出すとこんな感じ。

桜小路きな子:北海道出身、方言がある、萌え
米女メイ:スクールアイドル大好き、ため口をきく、四季とデキている
若菜四季:なんか機械を作れるらしい、メイとデキている、やや萌え
鬼塚夏美:邪神ちゃん

しきメイは百合、邪神ちゃんも強烈なキャラ付けがされていましたが、きな子は正直ただ方言を喋るだけの薄い女の子だったと言わざるを得ない気もします。やや格差を感じて少し残念だった(一応きな子は最初のメンバーなのでちゃんと見せ場はあったから良いけど)。

それだけじゃなくて、2年生(1期生)と比べるとかなり強いキャラ設定を組んでいる印象も受けました。2年生は、それまでのラブライブとは異なり、私たちのようなオタクでも共感できる女の子たちだったのが一つの魅力だったと思います。渋谷かのんさんは「歌が好きだけどトラウマで歌えないことに悩んでいた」という点で共感できますし、平安名すみれさんは「センターに立ちたいという思いはあるけど成功体験が無いため自信が全くない」という点で強く共感できました。また渋谷かのんさんが今までの主人公と比べても人気があった(と感じる)のは、共感しやすい・自然さを感じる・どことなく普通に良そうな女の子(声優がオーディションで選ばれた人というのも影響していそう)という点にあるのではと考えます。

しかし1年生はそんな2年生とは異なり、かなりファンタジーな女の子たちだったと思います。2年生寄りと言えるのはキャラ付けが方言くらいだったきな子ちゃんくらい。オニナッツは邪神ちゃんだし、百合カップルはどこにでもある百合だし、キャラ単体に魅力を感じるに足る話はなかったというのが自分の感想。ここはかなり前作までのラブライブっぽいと感じました。

もしかしたら取るに足らないのかもしれないけど、メイはLiellaが好きらしく、目の前にしたときは崇拝のまなざしをしていたのに、なぜ話すときは普通にため口だったのだろうか。こればっかりはいくら考えても納得できなかった。誰にでもああいう態度ってのは全然いいと思うんだけど、俺たちってお渡し会で声優にため口きくか......?


②-2:2年生の微妙なキャラ崩壊

まず渋谷かのん。やや冷ややかにこのアニメを見ている人は、渋谷かのんageがありすぎて(+昨今の情勢も踏まえて)、Liella教団渋谷かのん総帥とか言っているのを見たことがあります。そこまでは思わないけど、やたらと渋谷かのんの言動・行動が正当化されていた印象はありました。嵐千砂都や葉月恋なんかは、2期では渋谷かのんを正当化するために存在していたようにも見えてしまいました。もしかしたらそのバランスを取るために平安名すみれに少し違う役割を与えていたのかもしれません。

というのを踏まえて平安名すみれに話は流れるが、彼女はたびたび2年生に異を唱える役割を果たしていました。他がイエスマンだったから必然的にこのキャラが異を唱えることで物語を動かそうとしたのかなと思います。
特に印象的なのは9話。彼女は9話において「東京大会には進出できたけど1年生と2年生には明確な差がある→マルガレーテの存在もあってこのままだと都大会で負けちゃうかもしれない→負けたらクゥクゥが帰国するかもしれない」という論理思考で「都大会には2年生だけで出るべきだ」と主張し、渋谷かのんからブチ切れられました。先述した「勝ちに対するこだわり」と「クゥすみ」を同時に消化したかったのだろうという意図をうかがえますが、この展開には1期の園田海未さんを思いだしました。
9話において「1年生と2年生のパワーバランス」「勝ちに対するこだわり」「クゥすみ」の3つのポイントを消化するのに平安名すみれさんは犠牲になっていたと思います。百合で誤魔化そうとしていた感もあり…。
どこかの話で平安名すみれだけが1年生側に立っていたというカットがあり、これって平安名すみれがイエスマンしかいない2年生に異を唱える展開とか来るのかなあとか考えていましたけど、考え過ぎではなかったのかもしれない。

じゃあその役割って葉月恋でも良かったんじゃないか?と思わなくもない。というくらい彼女は2期でも存在感が薄かったと思います。UR葉月恋で「葉月恋はゲーマーになった!」と言われても......。もしかして葉月恋ってファンとかいなかったりする?
ラブライブってあまりものになったキャラが出たら意地でもカップリングにするという傾向を持つので(にこまき、よしりこ)、まさか何もないとは思わなかったです。メイと一緒に曲を作っていたけど、メイは相手がいるしなあ......。


②-3:ライバルキャラ

1期ではサニーパッションがライバルキャラとして君臨しており、強さはもちろんのこと同士としても良いキャラをしていたと思います。A-RISE然り、Saint Snow然り、ラブライブシリーズはライバルキャラは一定の出来を見せてくれると思っていました。

が、このサニーパッションは適当にポイ捨てされ、新しく出てきたウィーンマルガレーテちゃんにお株を取られてしまいました。百歩譲ってこれを良しとしても、ウィーンマルガレーテちゃんにはあまり魅力を感じられなかったのが残念だった。一応中学生?(欧州だと高1なのかもだけど)だから言動とかは全然いいとしても、「本当の歌を見せてあげる・・・」と同じことしか言わないうえに、途中から急に仲間になりそうな展開に入ったりとあまりにも適当なキャラクターだったという印象。
というか2期はサニーパッションvsLiellaじゃ何かいけなかったのだろうか。あまりこういうことは言いたくないが、正直商売じみた何かを感じるというか、業界の薄汚い所を感じる。もっと俗っぽく言えば、ウィーンマルガレーテちゃんの声優に偉い人がんほったんじゃないかなとすら思えちゃう。


③挿入歌

これは上記と比べても酷く個人的な意見になるが、正直挿入歌がビックリするくらい印象に残らなかった、もっと強く言えば弱い曲ばかりだった印象にあります。1期はTiny StarsやStarlight Prologueなど爆発的な楽曲はありましたが、2期には少なくともこの2曲に匹敵する曲はないと断言もしたくなります。

個人的にびっくりしたのはラブライブに優勝した楽曲。あまりにもカップリング曲みたいな楽曲でズッコケたし、さも当然の如く優勝していてびっくりしてしまった。過去2作品では「Kira-Kira Sensation!」や「WATER BLUE NEW WORLD」などの最高の楽曲をもってして優勝しましたが、本作品では終盤に駆け足で情緒もくそもない感じで優勝したのも相まってビックリするくらい印象に残らない楽曲のままラブライブに優勝されてしまった。僕はサンシャイン2期は結構酷かったと思っているけど、それでも「WATER BLUE NEW WORLD」は凄いアツくて感動した記憶を未だ持っています。


まとめ

そんなわけでまとめると、スパスタ2期は「1年生と2年生のパワーバランス」と「勝ちに対するこだわり」を途中まで並行して描くことでややアンバランスな作品になっていたところに、ラブライブにこのクールで優勝させるというゴールを作ってしまい完全に尺に余裕がなくなってしまった中、ウィーンマルガレーテとLiellaのフラグを立てるために取ってつけたような留学展開を用意することで、ラブライブに優勝するという感動的な展開ですら流れ作業のようになってしまったという点が最悪であり、ハッキリ言って「良いアニメだった!」と評価するのは私には難しいというのが感想です。


おわりに

ラブライバーは怖いので正直書くか迷いましたが、でも感想ブログが30,000文字を超えるのはちょっと嫌だなあと思い、書くしかありませんでした。後悔はしていませんが、恐怖はしています。1stライブツアーに行ったオタクだから殴らないで......。

果たしてこのコンテンツは席を埋められるのか。武蔵野森は固定ファンで埋められそうな気がするけど、西武ドームはちょっときついんじゃないかな......。個人的には空席のあるライブが性癖なので、外れ報告が全然無かったらちょっと参加を一考しようと思います。でも3月の西武ドームはこのくらい寒いぞ!

今回はここまでです。

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