見出し画像

品川甚句

小窓あくれば

が見ゆる
鴨八百羽 小鴨が八百羽
入船八百艘

出船

も八百艘
帆柱八百本 あるよ あるよ
朝来て昼来て晩に来て
来てこんとは いつわりな
来たしょうこに 目が一寸だれちょる

酒飲んだ だれよとだれよが違ちょる
ハッアッ違ちょる違ちょる
七里がぽっぽ土手
土手越えちょるね
船は出て行く

機関も船長も会計も走る
帰しちゃならぬと
花魁慌てる
芸者が飛び出す
箱屋が転がる

残る煙がアイタタタタ

癪の種

《by小沢昭一》

二十一、れんじあくれば 甚句くづし
れんじあくれば品川見ゆる 船八百艘 帆柱八百本 入船八百艘 出船八百艘 あるよ/\ 朝きて ひるきて 晩来て してせぬとは いつはりじや したしようこにや 毛がチョッとぬれちよる しゝしたぬれよと ぬれよがちがちよる さつさちがちよる/\ 七里どて かつぱしよつてこい ちよろ/\。

『相対会研究報告書』唄に於ける春的要素 


いれて❤️