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因州因幡節&三人婆さん

因州因幡の鳥取で
鹿野大道の真ん中で
娘が三人出会ひしが
先なる娘が十六で 
中なる娘は十七で
あとなる娘は十八で 
先なる娘が云ふことにや 
はじめて殿御と寝た夜さは 
三つ目の錐でもむがごと
きりりきりりと痛とごんす
中なる娘の云ふことにや
はじめて殿御と寝た夜さは 
朝倉山椒をかむがごと
ひりりひりりとようごんす
あとなる娘が云ふことにや
はじめて殿御と寝た夜さは
麦飯とろろを吸ふがごと
とろりとろりとようごんす
おさん やれ

その由来は、江戸時代、公儀隠密がこの地に潜入して、国情をうかがった、なにしろあまり尚武の気風をあらわにし、また、領主の明晰さが過ぎてもにらまれる、そこで、馬鹿殿を装い、また、遊蕩的雰囲気をただよわせるために、殿が命じて、この唄を、はやらせたのだそうで、


処は信州 善光寺
しかもお寺の 真ん中で
お婆さんが三人 出会ひしが
先なるお婆さんが 六十六で
中なるお婆さんが 七十七で
後なるお婆さんが 八十八で
先なるお婆さんが 云ふことにゃ
はじめておとっつぁんと 寝たよさは
三つ目の錐で もむように
きりやきりりと 痛うござる
中なるお婆ちゃんが 云ふことにゃ
はじめておとっつぁんと 寝たよさは
朝倉山椒を 食うように
ひりやひりりと 痛うござる
後なるお婆ちゃんが 云ふことにゃ
はじめてお爺さんと 寝たよさは
ア、アーァ…
“ちょいと三味線 待ってくださいよ
はじめてお爺さんと寝た晩はネ
イェッヘッヘッヘッ…
おやおやもう あんまり古いことで
イッヒッヒッヒッヒッヒェッ…
忘れました”
《byぴん助》

〽人気すたらぬ我国なり
 いまも開化のありがたく
 芸者が三人内証ばなし
 先なる芸者が役者衆で
 中なる芸者がはなし家で
 あとなる芸者が猫姑衆ねこしゅ
 先なる役者のいう事にゃ
 すかれた女の其中で
 陰乱後家と出会ひしが
 一夜で親子がこまりはて
 中なる落語家のいう事にゃ
 はじめてぶたいへ出たときに
 むまいと御女中にほめられて
 落シをわすれて笑われた
 あとなるげいこのいう事にゃ
 内証で御客をとった事
 女郎衆に知られてねがわれて
 ばっきんとられてしかられた
    ソレも税 コレモゼイ/\/\
《by桂文都(明治23年版俗曲本)》

いれて❤️