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chinjuh(珍獣ららむ〜)

http://www.chinjuh.mydns.jp/wp/ ブログ:超・珍獣様のいろいろ

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最近の記事

富士山だけ写してもつまらないので

 ダイヤモンド富士は、富士山頂に夕日が沈みきる(または朝日がのぼる)瞬間のことを言います。自分が移動しないなら、ベストコンディションで撮影できるのは年に2度しかなく、天気が悪ければ写せません。  ねらい通りに空が晴れると嬉しくなって、ついつい望遠を最大に効かせて富士山頂だけ写したくなるものですが、それではどこで写してもあまり変わりません。もちろん、雲の形や夕焼けの赤さは常に違いますが、せっかくいろんな場所に行くのですから、風景も一緒に写さなければ意味がありません。 小岩の

      • 失われ行く風景

         戸定邸(とじょうてい)は、徳川昭武という人が隠居後に住んだお屋敷だ。千葉県松戸市にある。  徳川昭武は、歴史の教科書には出てこないけれど、波乱に富んだ少年時代を送った興味深い人だ。  彼は最後の将軍・徳川慶喜の異母弟で、15歳の時に将軍の代理としてヨーロッパに派遣された。ちょうど明治維新の年のことで、昭武は大政奉還があったことをヨーロッパで知ったという。  日本を旅立った時には次代の将軍になってもおかしくない王子様みたいな立場だったのに、帰国した時には明治時代に変わっ

        • 大晦日と元旦の日没がダイヤモンド富士になる場所

          2013年12月31日 越谷レイクタウンkaze棟の屋上駐車場で この日は少し空が霞んでいた  太陽が山の向こうへ行ってしまうと、富士山の影がかすみがかった空にぼうっと浮かんで、山頂だけが燃えるように輝いた。  越谷レイクタウンはショッピングモールなのだけど、名前のとおり人工湖のほとりにある。ダイヤモンド富士が見える地域としては北限にかなり近く、12月12日ごろと、12月31日ごろの夕日が富士山頂にかかる。短期間に2度チャンスがあるのは嬉しい。しかも、このくらい北まで

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        • 富士山頂に夕日が沈む
          7本

        記事

          富士山が見えなきゃ始まらない

          富士山頂に夕日が沈む -4- 自分が住んでいる地域でもダイヤモンド富士が見えると気がついて、ついにその瞬間も見る事ができた。一度見てしまうと欲が出て、次は別のところでも見たいと思い始める。  そうなってから気がついた。富士山が見える場所を、あまり知らないのだ。  ぱっと思いつくのは橋の上と、土手の上。まわりより高くなっているし、川があるので視界が開けているから。  それから、ショッピングモールなどの屋上駐車場。  高架になってる駅のホーム。  海辺。  などなど、

          富士山が見えなきゃ始まらない

          チャンスは年に二回

          富士山頂に夕日が沈む -3- 富士山頂に太陽が沈む瞬間をダイヤモンド富士という。それは、太陽・富士山・見ている自分、この三者が一直線に並んだときにだけ起こる現象である。  前のnoteに書いたことの復習になってしまうが、もう一度この図を見てほしい。  地上から太陽を見た時、太陽の通り道は常に同じではない。冬は低いところを通り、夏は高いところを通る。太陽の通り道は、毎日すこしずつズレて行き、日没点もまた、毎日すこしずつズレていくのだ。  そのズレは、  冬至から夏至にかけ

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          はじめてのダイヤモンド富士

          富士山頂に夕日が沈む -2-  群馬育ちなので、富士山がめずらしい。群馬では富士山が見える場所がほとんどない。かわりに浅間山がよく見える。  東京で暮らすようになり、晴れた日に富士山が見えることには気付いていたけれど、そこからダイヤモンド富士が見えるなんてことは、これっぽっちも考えたことがなかった。そう、あの日まで。  通りがかりに富士山の斜面に太陽がかかっているのを見たあの日、この場所でダイヤモンド富士が見えるんだと、やっと気付いた。  富士山の山頂からほんのちょっぴ

          はじめてのダイヤモンド富士

          きっかけ

          富士山頂に夕日が沈む -1-  これが富士山と夕日を写した初めての写真である。狙ったわけでもなく、通りがかりにふと見たら、今まさに富士山の斜面に夕日が沈むところだった。2009年1月19日のことだった。  小・中学校の理科の授業で見た、こんな絵を思い浮かべながら考える。  地上から見た太陽の通り道は、冬は低く、夏は高く、常に同じではない。冬至から夏至にかけて、日没点は毎日すこしずつ北に向かって動いていくはずだ。  1月19日は冬至を過ぎているから、日没点は左へ(北へ)