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漆器の取り扱いについて

漆器は高価な品物のため、なかなか普段使いになさらない方が多くいらっしゃると思われます。重箱ともなればお正月に使う物で普段の食卓には使いにくい物です。

しかし、伝統工芸とは最低100年その形状を保って初めて「伝統工芸」と言える、大変丈夫な物です。どうぞ普段からお使いになって頂きたいと思います。

例えば汁椀でいえば、漆器は汁物を入れたその水分を吸い、手に持ったその油分と水分を吸い、どんどんと艶が増し強度も増していく器です。逆に使わずにしまい込んでおく方が、漆が乾燥し弱くなってしまう可能性があります。

お手入れ方法としては、使い終わったら普段とおりに洗い布巾で拭いて食器棚にしまう。ただそれだけです。食器用の洗剤を使っても問題ありませんが、漆は細菌類を24時間で1万分の1に軽減する力があります。ですので、ぬるま湯でさっと汚れを落とすだけでも十分です。何よりのお手入れ方法は「使う事」これにつきます。万が一にも欠けてしまっても、金継ぎという技術でお直しをすることも可能です。

また、重箱のようにあまり出番のない漆器の保管場所として、なるべく「食器棚の下の方」に保管して頂きたいと思います。漆器は乾燥に弱い食器です。湿気は空気に比べ重いので、食器棚の下方に溜まります。上段よりもなるべく下段に保管する事で、少しでも漆の強度を保つ事が出来るはずです。

仮にカビがついてしまっても、布巾に水で薄めたお酢を含ませよく絞り、それで拭けば全く問題なくまたご使用いただく事ができます。

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