古今集巻第十五 恋歌五 799番
題しらず
そせい法師
思ふともかれなむ人をいかがせむあかずちりぬる花とこそ見め
題知らず
素性法師
こちらが思っているのに離れていく人をどうすればよいだろうか、心残りのままで散ってしまった花と考えよう
「思ふとも離れ(かれ)なむ人を如何がせむ飽かず散りぬる花とこそ見め」
「かれなむ(離れなむ)人」は、離れていく人、自分と別れようとする人です。
「いかがせむ」は、どうしよう、つまり、どうしようもないということ。
「飽く」は、満足する、満足し過ぎてちょっと嫌になることです。なので「飽かず」は、まだ満足していない、心残りがあることです。
「飽かず散りぬる花」は、まだ満足するほどには眺めていないのに、散ってしまった桜の花、のことです。
離れて行ってしまう人は、まだ十分に眺めていないのに散ってしまった桜と同じだと考えてあきらめよう、という歌です。
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