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古今集 巻第七 賀歌 348番

仁和のみかどのみこにおはしましける時に、御をばのやそぢの賀に、しろがねをつゑにつくれりけるを見て、かの御をばにかはりてよみける

僧正へんぜう

ちはやぶる神やきりけむつくからに千とせの坂もこえぬべらなり

光孝天皇がまだ皇子でいらっしゃった時に、祖母の八十路の祝賀で、銀の飾りをつけた杖を作られたのを見て、その祖母に代わって詠んだ歌
僧正遍昭
立派な神さまが木を切ってお作りになったのか、この素晴らしい杖をつくと千歳の坂も越えてしまうでしょう

前にも書きましたが、「やそぢ」は今は「八十路」と漢字を当てますが、本来は「八十箇」です。「箇」は数詞について数を数える意味で年齢の意味はありません。ただ、ほぼ年齢の時しか使わないので「やそぢ」「はたち」と言えば80歳、20歳と理解されるようになったものと思います。「八十路」の「路」は多分、現代の当て字で演歌の歌詞などに使ったものでしょう。

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