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古今集巻第十二 恋歌二 565番

寛平御時きさいの宮の歌合のうた

紀とものり

河の瀬になびく玉藻のみがくれて人にしられぬ恋もするかな


宇多天皇の御時の皇太后班子女王の歌合わせの歌
紀友則
河の瀬で流れになびく玉藻が水に隠れているように、人に知られないような恋もするものだ

玉藻はきれいな藻ぐらいの意味。「みがくれて」は「水隠れて」で水中に隠れて、の意味ですが、身を隠して、という意味を重ねています。
上の句は、人にしられぬに掛かる序詞です。上の句の河藻がなびいて動きのある情景に対し、下の句は隠れて人を思う静かな様子で対比をしています。

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