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古今集巻第十五 恋歌五 816番

題しらず

よみ人しらず

わたつみのわが身こす波立ち返りあまのすむてふうらみつるかな

題知らず
詠み人知らず
わたつみの海の我が身を越す大きな波が、岸を打っては立ち返る、海人が住むという浦に波が満ちています
わたしの涙が大きな波となって繰り返しあなたに向かって打ちつけるほど、あなたを恨んでいます

「渡津海の我が身越す波、立ち返り、海人の住むてふ浦、満つるかな」

「わたつみのわが身こす波」は、「立ち返り」の序詞、「あまのすむてふ」は、「うら」の序詞です。
序詞を飾りと見て省くと、「立ち返り恨みつるかな」なので、この歌は「繰り返し繰り返しあなたを恨んでいます」という思いを詠んだものです。
「うらみつる」は、恨みつる、浦満つる、浦見つる、の掛詞です。

#古今集 , #恋歌五 , #わたつみ , #波 , #海人 , #浦

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