古今集巻第十四 恋歌四 714番
題しらず
素性法師
秋風に山の木の葉のうつろへば人の心もいかがとぞ思ふ
題知らず
素性法師
秋風で山の木の葉は色が変わっていくものだ、わたしに飽きた風が吹いて、おっしゃる言葉も変わってきたので、あの人の心もどうなのかと思う
「秋」は飽きに、木の葉(このは)は言の葉(ことのは)に通じます。上の句は秋の紅葉が枯れ散っていく様子をうたい、下の句ではそれが人の気持ちが離れていくことの例えであったことがわかる、和歌の見本のような歌です。
素性法師は僧正遍昭の子、桓武天皇のひ孫。宮廷では和歌の先生のような立場で、色々な歌を詠んだり、人に頼まれて代作もしたのだと思います。この歌も、素性法師が女性になりかわって詠んだものです。
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