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古今集  巻第五 秋歌下 250番

是貞のみこの家の歌合のうた

文屋やすひで

草も木も色かはれどもわたつうみの波の花にぞ秋なかりける

是貞親王の家の歌合の歌
文屋康秀
草も木も秋には色が変わるけれども、わたつ海の白波の花には秋がなく色は変わらないものだ

 「秋なかりける」は「飽きなかりける」という意図もあるとすると、秋がないので年中美しく、飽きずにずっと見ていられるということだと思います。
 波の花は、普通の白波を言っているのだと思いますが、冬の日本海では波に泡がたって白くなったものを波の花と呼んでいます。康秀は三河掾(じょう。三等官)になっているので、太平洋の海は見たことがあるのでしょうから普通に白波のことだと思います。

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