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古今集巻第十三 恋歌三 663番

題しらず

みつね

ささの葉におく初霜の夜を寒みしみはつくとも色にいでめやは

題知らず
凡河内躬恒
笹の葉に置く初霜が夜の寒さで凍りついて透明になるように、心に沁みても表には出したりするものか

「笹の葉に置く初霜の夜を寒み凍みは付くとも色に出でめやは」
「しみはつく」の「しみ」は「凍む(凍ること)」「沁む、染む(心にしみること)」、「は」は係助詞(〜ということについては、の意)、「つく」は、そうなるの意味で、結局、凍りつく、心にしみることを強調した表現。上の句は「しみはつく」に掛かる序詞。
「いでめやは」は、「いづ(出づ)」の未然形「いで」+ 意思の助動詞「む」の已然形「め」+ 疑問の係助詞「や」+ 詠嘆の終助詞「は」。出すだろうか、いや出さない、の意味。

#古今集 , #恋歌三 , #凡河内躬恒 , #笹の葉 , #初霜

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