ちんぺい

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レコード買うボーイです。それ以上でもそれ以下でもありません。 「いないいないBAR」ほか、マンガを描いたり描かなかったりしています。 https://ebookjapan.yahoo.co.jp/lists/authors/12107/

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  • 和モノあれこれ

    おもに1960~70年代の和モノ(音楽)について書きます。 最初から読みたい方はこちら▼ https://note.mu/chinpei5555/n/n196233425ed8

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「和モノあれこれ」について

一般的に「和モノ」という言葉は「日本のもの」を表しますが、こちらで取り上げる「和モノ」は音楽のジャンルを指しています。 今から約20年ほど前、各レコード会社から主に1960年代後半~70年代前半の邦楽を発掘、再評価するコンピレーションCDがいっぱい発売されました。ビートガール、キューティーポップ、カルトGSにグルーヴ歌謡、ソフトロック・ドライヴィン…。ほとんど洋楽しか聴かなかった私も夢中になり、熱心にそれらのCDに収録されていた曲のアナログレコード収集に精を出していました。

    • パパはママのものじゃない/瀬戸内アケミ(試聴リンクあり)

      1970年リリースのデビューシングルです。 よく存じ上げないのですが「歌のグランプリショー」というTV番組の出演がきっかけでスカウト、当時小学四年生だったそうです。同じ演歌系キッズ歌手には、少し年上ですが同年に「いなかっぺ大将」の主題歌でデビューした天童よしみ(当時の名義は吉田よしみ)がおり、こういったキッズ演歌歌手というのが流行った時期だったのかもしれません。 しかし、注目すべきは曲調が演歌ではなく馬飼野俊一さんによるR&Bアレンジの歌謡曲である点です。和とソウルの奇妙

      • わたしの銀座/多川美紀(試聴リンクあり)

        1969年リリース、恐らく唯一のシングル「二人の別れ」B面に収録された曲です。 銀座モノにハズレ無し、とはよく言ったものでこちらもご多分に漏れずその一端を担う名曲。のっけからオープニングのストリングスとドラムとの相性が素晴らしく、一気にテンションを持っていかれます。 歌が始まると少し跳ねたリズムのノリの良いビート歌謡であることが分かりますが、節々で過剰にしゃくりを入れる独特な唱法は「ちょっとだけ様子がおかしいぞ?」と思わせるなにかがあります。 試聴用動画はこちら ジャ

        • わたしはお人形/小山ルミ(試聴リンクあり)

          1974年リリースのラストシングルです。 オープニングから洒落たアレンジとスキャットが印象的な楽曲で、曲中でクラビネットが使われているのが時代を感じるゆったり目のグルーヴ歌謡。そのクールさは前年にリリースされた、金井克子さんの「他人の関係」にも似た雰囲気を感じなくもありません。 小山ルミは「グット,,がまんして!!」のコミカルな表現力を聴いても分かるとおり、歌唱に表情のニュアンスを乗せるのが上手かったのではないかと思っています。しかしそれ以降のシングルでは良い曲はあるもの

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          おじさまいや?/黒沢良 麻里エチコ(試聴リンクあり)

          大映のリトル・プリンセス的な立ち位置(と勝手に思っている)麻里エチコさんの1969年リリースの2枚目のシングル「キッスしてっ」のB面に収録されている曲です。 マイナー調のムーディーな演奏に乗せて、エチコさんのカマトト感たっぷりで甘ったるくクセのある歌唱がはじまると、どこかちょっと「これはホラーなのか?」と思わされる独特の雰囲気があります。黒沢良さんの渋いセリフは、さすがベテラン声優の風格ですね。 麻里エチコさんは3枚のシングルを残しておられるようですが、その独特な歌唱を一

          おじさまいや?/黒沢良 麻里エチコ(試聴リンクあり)

          男の匂い/前浜みどり(視聴リンクあり)

          1974年リリースのシングル「五本の指」B面に収録されている、作曲・井上忠夫、編曲・横内章次によるフェロモン・グルーヴ歌謡。 Aメロのファンクネスなアレンジもいいですが、サビで歌謡曲然としたメロディーに移行するのもいい感じ。間奏では「他人の関係」みたいなフレーズも飛び出します。意外にも可愛らしいボーカルとのバランスも絶妙ですね。 視聴用動画はこちら 前浜みどりさんは恐らく3枚のシングルを残しておられますが、これがどれを取っても聴きドコロあるハズレ無しのホームラン・バッタ

          男の匂い/前浜みどり(視聴リンクあり)

          恋は涙の歌/三矢恵子(視聴リンクあり)

          「母ちゃんにしかられた」「やきとりソング」などの曲で知られる三矢恵子さんが1974年にリリースしたシングル「ひとりごと」B面に収録された楽曲です。 欧陽菲菲的アプローチのBPM速めなブラス・グルーヴ歌謡ではありますが、聴いていただくと分かる「ん?ふざけてる?」とヒアリングしたくなる様子のおかしさ。ボーカルの謎の抑揚、果たして必要だったのかと思わされる過剰なリバーブ。ディープな世界がお好きな方にもアピールする変な一曲に仕上がっております。 視聴用動画はこちら 三矢恵子さん

          恋は涙の歌/三矢恵子(視聴リンクあり)

          酒/浜村美智子(視聴リンクあり)

          「デ~~~~~オ!」でおなじみ、自らの代表作であるハリー・ベラフォンテのカバー曲を再録した1973年シングルのB面に収録された楽曲です。 「デイ・トリッパー」を大胆に拝借したフレーズが飛び出すビートリッシュな楽曲で、ロックファンにも聴いて欲しいやさぐれ・グルーヴ歌謡に仕上がっています。 視聴用動画はこちら なんだか抑揚があるのか無いのかよく分からないメロディーも魅力的で、中・後期のビートルズを意識したアレンジはいかにも作編曲(ちなみに作詞も)を担当したクニ・河内らしいも

          酒/浜村美智子(視聴リンクあり)

          売ってしまった生命/小沢昭一(視聴リンクあり)

          1975年の劇団・芸能座第一回公演「清水次郎長伝・伝」より、劇中歌5曲のスタジオ録音を収録したコンパクト盤から、座長である小沢昭一自らが歌唱する楽曲です。 のっけから「ヤックザ、女郎、芸人!」の掛け声で始まる、(たしか)前田憲男編曲によるホーンセクションのアレンジが素晴らしいグルーヴ歌謡です。終始バッキングで鳴るワウギターとクイーカもなかなかいい雰囲気を出しております。 視聴用動画はこちら 清水次郎長を題材にした劇中歌ということでこのような歌詞になったと思われますが、な

          売ってしまった生命/小沢昭一(視聴リンクあり)

          愛のお城/牧麗子(視聴リンクあり)

          1970年発売のオムニバス「海と空と太陽の祭典」に収録された楽曲です。 牧麗子の人気曲「マドモアゼル・フィフィ」は以前ご紹介しましたが、ほかにもいくつかいい曲があります。中でもこの曲はベクトルこそ違えど、牧麗子の独特な甘ったるい声とグルーヴィーな演奏が相まった非常にカッコいい曲だと思います。 前奏からAメロに入る前の「遊び」のアレンジが素晴らしいんですよね。こういう編曲にはセンスを感じます。 視聴用動画はこちら 本アルバムにはオフコースの前身であるジ・オフ・コース、黛

          愛のお城/牧麗子(視聴リンクあり)

          黒い神話/西条ミカ(視聴リンクあり)

          情報があまり無い方ですが、1972年リリースの恐らくデビュー曲にして唯一のシングルだと思われます。 重厚なミドルテンポのサウンドに乗せて、低めの声で歌われるなかなかドラマチックな曲。ジャンルとしては、レコード屋のキャプションに「やさぐれ歌謡」と書かれそうですが、ちょっとそれだけで片付けたくない完成度だと思います。 視聴用動画はこちら この曲、大好きなのです(市場評価は低いですが…)。歌は非常に上手いですし、声にも独特なキャラクターがあってもっと他の曲を聴いてみたかったと

          黒い神話/西条ミカ(視聴リンクあり)

          そんなのってないでしょう/水木ナナ(視聴リンクあり)

          遅れてきたビート・ガール、と言うには少しポップス寄りすぎるでしょうか。名古屋のマイナーレーベルであるメッカレコード・パック、通称「メッカ」から発売されたの名作です。 曲のほうはR&Bの匂いもさせつつ、バッキングは低音も利いて非常に重厚。マイナーレーベルとは思えないほどしっかりとした演奏になっています。歌唱もいい感じのカマトトっぷりで、歌詞も純情な女の子が男に飽きられてしまって「そんなのってないでしょう」と訴えかける至って正しい内容になっております。 視聴用動画はこちら

          そんなのってないでしょう/水木ナナ(視聴リンクあり)

          そりゃないわ/亜樹まこと(視聴リンクあり)

          1971年リリース、後のあきいずみのデビュー曲です。 あきいずみ時代の楽曲もなかなかグルーヴィーで人気がありますが、このデビュー曲はどこか演歌調の歌唱で独特の表情豊かな味もあり、大変歌が上手いですね。すでに貫禄すら感じます。 視聴用動画はこちら アレンジは決してオシャレとは言い難いですが、個人的には好きな路線のビート・ポップスです。作詞曲はみなみらんぼうで、この時期はけっこういろんな女性歌手に楽曲提供しているのを見かけることからも、一部のフォーク系の人が歌謡曲界に貢献し

          そりゃないわ/亜樹まこと(視聴リンクあり)

          ゲバゲバ数え唄/八代政子(視聴リンクあり)

          八代さんは元々正統派歌手であったのだろうと思うのですが、1968年のこのシングルはちょっと異色作…というか、コミックソングへ180度の方向転換。世はゲバゲバ・ハレンチ激動の時代、ゲバルト時代のグルーヴ数え唄の名曲です。 視聴用動画はこちら 風刺を交えて10まで同じメロディが続く数え唄ではありますが、この時代が生んだ「ゲバゲバ・グルーヴ」にハズレ無し。クソ真面目そうな男性コーラスとの対比も見事、表情豊かな歌唱で「ゲバゲバ、ゲバルト!ど~お~しましょ!」とコミカルに歌い上げま

          ゲバゲバ数え唄/八代政子(視聴リンクあり)

          アッポ・しましま・グー/中村晃子 ボニー・ジャックス(試聴リンクあり)

          1969年からNET(現・テレビ朝日)で放映された子供向け人形劇番組「アッポ・しましま・グー」主題歌です。 中村晃子は「ちびっこのどじまん」のレコードにも参加していたので、子供番組ともゆかりがあるのでしょうか?後の一人GS楽曲群にも通ずるR&Bライクなビートに乗せて、呪文のような歌詞をたどたどしく歌唱するダイナマイト感すら感じるビッグバンド歌謡。 呪文の正体は登場キャラクターの名前で、ジャケット真ん中が主人公のアッポちゃん、左がしましまオオカミ、右がグー。ちなみに左上は応

          アッポ・しましま・グー/中村晃子 ボニー・ジャックス(試聴リンクあり)

          甘い罠/ザ・シュークリーム(試聴リンクあり)

          1972年発売、3枚目にしてラスト・シングルとなった作品。 1枚目、2枚目がどこか「歌って踊れるグラビア・アイドル」的な、ゴンヌズバー!としたにビジュアルであったのに対し、簡素でスッピンに近い印象のジャケットに。そして楽曲はグッとソウル寄りの内容に。キャンディーズ的70年代感満載のメロディーが気にならなくは無いですが、それをさておいても泣きの転調がエモさを演出する聴けば聴くほど楽曲の良さを感じるナイス・ソウル歌謡であります。 しかし、グループ解散に伴う、または引退した方の

          甘い罠/ザ・シュークリーム(試聴リンクあり)