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魔法同盟とDiscordの思い出

"魔法同盟 Advent Calendar 2021 ” 21日目の記事です。
何を書こうか悩んだけれど、やっぱり一番の思い出は共闘を通してみなさんと出会えたことなので、Discordの思い出を中心に綴りました。

1.ひとりぼっちの魔法界

子どもの頃から、魔法や妖精やファンタジーが大好きだった。不思議なことが起こる物語は何歳になってもわくわくする。
でも大人になるにつれて、そんなことを声高に言うのはなんだか気恥ずかしくなって、人知れず、ひっそり始めた魔法同盟。
2019年10月31日のことだった。
わたしが魔女になれた日。
最初はARをオフにできることも知らなくて、夜道でこそこそと呪文をかけてみた。マグルに見つからないように。
きれいなグラフィックに心を踊らせながら毎日少しずつ呪文の練習をするのは、秘密の宝箱を開けるような気分だった。
近くに他の魔法使いの気配はなくて、共闘というものにほのかな憧れはあったものの、知らない人たちの中に一人で飛び込むなんて考えられなかった。別世界の話だと思っていた。

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2.Discord魔法同盟

騎士バスが実装されて、なにやらボイスチャットで共闘ができるらしいと知ったのが2020年4月下旬。
声だけならがんばれるかもしれない...と、手探りでなんとかDiscord魔法同盟なるものに登録したけれど、それでもまだ踏み出せずにうじうじすること6日間。
ルーモスに導かれ、勇気を出して、えいっ!と女子寮(女性限定チャンネル)の初心者向け共闘会に参加したのが、GW中の5月4日。
初めての共闘は、本っ当に楽しかった!
先輩魔女はみんな優しくて、呪文の効果さえ理解していなかったわたしに何でもていねいに教えてくれた。
苦手なところを補い合って協力して闘う。なんて楽しいんだろう。この楽しさを知らなければわたしの魔女人生の半分は損していたと、今でも本気で思っている。
慣れてきた頃には女子寮だけでなく三本の箒(全国誰でも参加できるチャンネル)での共闘にも参加するようになり、それから毎晩の日課になるまではあっという間だった。

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3.魔法界の仲間

大好きなハリー・ポッターについて話せる仲間ができたのも、わたしにとってはうれしいことのひとつだった。
Discordにはわたしと同じように、登場人物の成長を喜んで、別れに泣いて、自分ならどの寮に組み分けされるだろうなんて想像したり、映画を観てビューン、ひょい!を練習してみた人たちがいた。
何巻のここが好き。映画のあのシーンが泣ける。このセリフはどんな気持ちで言ったんだろう。
こんなこと、今までほとんど話したことがなかった。話せる相手が周りにいなかったから。夢のようだった。
みんなとの映画の同時上映は、一人で観るのとはちがって新しい発見がたくさんあった。
孤独だった魔法の世界が、コロナ禍でくさくさしていた生活が、ぱあっと彩やかに色づいた。
帰省できない連休も、生まれて初めてのひとりぼっちの年越しも、みんなとボイスチャットで共闘できたからさみしくなかった。
実は2020年、特に後半は、わたしにとって悲しい出来事が続いた時期だった。友達と会うこともままならず、気を抜くと一人で鬱々とすごしてしまいそうだったあの頃、わたしを救いあげてくれていたのは魔法同盟であり、魔法使い仲間たちだった。
共闘の楽しさをもっとたくさんの人と共有したくて、どうしたら参加してもらえるのか試行錯誤もした。
新入生共闘会に参加してくれた人が朝や夜の共闘にも来てくれた時は本当にうれしかった。
三本の箒にだけ全然人が集まらない日が続いた時期もあったけれど、新しい人が来た時にはいつでもお迎えしたくて、毎晩懲りずに募集をかけ続けたこともあった。勇気を出して入ろうとしたら誰もいない、なんて状態にはしたくなかったから。
入れる人や人数が限られているチャンネルではなく、いつでも誰でも入ることができる三本の箒で、細々とでも共闘を続けることが、わたしには意味のあることだった。
そんな試行錯誤が功を奏したのかはなんとも微妙なところだけれど、少しずつ新しい仲間も増えて、実際に会う機会を作ることもできた。
声を聞きながら顔が思い浮かぶ仲間が増えていくのは楽しかった。
学校でも職場でもない、共通の知り合いもいない、趣味だけでつながる友達ができたのは初めてのことで、これからもそんな経験を重ねていけると思っていた。
まだまだ楽しい時間が続くと信じていた。

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4.冒険の終わり

2021年11月3日。
突然の報せ。
共闘が終わって、深夜のことだった。
終了の文字が頭の中をぐるぐる回って、意味が理解できるまでに時間がかかった。
またどこかの魔法使いが悪い冗談でも言ってるんだろうって思ったし、思いたかった。
今でも、嘘だったらいいのにと思ってる。
毎日毎日冒険してきたこの世界がなくなってしまう。
毎晩のように聞いていた声が聞こえなくなってしまう。
きれいな声、落ち着いた声、早口な話し方、かわいい訛り言葉、独特なくしゃみ、少し声が高くなる笑い方...
全部、過去のことになってしまうのかな。
わたしの声もそのうち忘れられてしまうのだろうか。
最後の日の共闘はどんなふうだろう。
終わる時、わたしはみんなとどんな声で、どんな言葉を交わせばいいのだろう。
何回も考えた。
答えはまだ見つからない。

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5.これからのこと

これから先も、わたしは日常の中で、魔法同盟を楽しんだ日々のことを何度も思い出すだろう。
例えばテレビに映る動物たち、スーパーやコンビニ、冷蔵庫の中。そんな何気ないものから、ふと思い出す人たちがいる。
遠く離れた地名を聞いて、案ずる人が思い浮かぶかもしれない。
一人でハリー・ポッターの映画を観たとしても、これまで以上にいろんな魔法道具や景色、魔法動物や登場人物に、思いを馳せるだろう。
サービスが終了しても、毎日楽しんだ大好きなゲームは、きっとそんなふうにわたしの中に残る。
初めて呪文をかけた時のわくわくした気持ちや、みんなと笑いあった時間や、数え切れない思い出として。
それは全部、魔法同盟を通じて出会ったたくさんの魔法使い仲間のおかげだ。
もしもみんながいなくてもきっとわたしは魔法同盟が好きだったけれど、みんながいたから、かけがえのないものになった。
あと約40日間。時間はまだ残っている。
思い出はまだまだ増やしていける。
最後の最後まで、魔法の世界をめいっぱい楽しもう。後悔がないように、やり残すことがないように。
そして願わくば、できればそう遠くない未来に、またみんなでこの世界を冒険できる日がやって来ますように。
いつでも魔女に戻れるように、杖を磨いて待っていようと思う。
何が起こるかわからないのが、魔法界だから。

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2021.12.21 Chipp0

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