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Chira5000字インタビュー!

Chiraの6thシングル「さようなら/幸せな人たち」のリリースを記念して、今回もやります!インタビュー企画!
今回は新作の聴きどころはもちろんのこと、次回作への期待や新しい試みについても迫りました!


ーシングルについて

■今作は4年ぶりのダブルフェイス作品とのことですが、どのような意図や狙いがあったのですか?
Chira「まず、大きな流れから話をすると、今回はそもそもアルバムを作ろうっていう話から始まったんです。前作の『アラカルト』は敢えてコンセプトに囚われない自由な発想で制作した作品だったので、次回作はうんとコンセプチュアルなものにしたいという想いがありました。それに、元号が変わるだとか、プライベートで環境の変化があったことだとかも加わって、平成最後の4/30にアルバムを出そうって。それに向けて曲を書いている中で、予定よりも早いピッチで数曲仕上がって来たので、休業期間が開けたこともあり、皆様への挨拶がわりじゃないですけど、シングルとしてまとめようと。アルバム用の曲って思い入れがフラットだったりするものですけど、今回の2曲も元々はアルバム用だったこともあり、みなさんにもフラットな気持ちで聴いてもらいたいという想いからダブルフェイスにしました」
■曲の立ち位置を平等にするためのダブルフェイス企画ということですね。カップリングについてはどうでしょう?これは完全に今回のシングル用?
Chira「いえ、これもアルバムに入ります。今回のアルバムは曲数が多くなる予定なので、入れられるものはなんでも入れようと(笑)。もちろん、コンセプトに沿っていることが大前提ではありますけどね」

1/31~CD、配信ともにリリースされたChiraの6thシングル「さようなら/幸せな人たち」


ーさようなら

別れと向き合うことは簡単じゃない。自分もそういう経験があったので、この曲を機にそれを考えるきっかけにしてほしいと思って作りました


■では、まず「さようなら」についてお聞きします。ズバリこの曲のメッセージとはどのようなものなのでしょう。
Chira「別れとどうやって折り合いをつけるべきか、ということですね。人生には別れが付き物ですから、それを避けて生きて行くことはできない。できれば別れなんて経験したくないのは皆同じでしょうけど、それが不可能ならば別れを受け入れる方向にシフトするべきですよね。でも、どうやって?そこにいつか直面するということは、皆知ってるはずなんだけど、なかなか別れと向き合うことは簡単じゃない。自分もそういう経験があったので、この曲を機にそれを考えるきっかけにしてほしいと思って作りました。今回のアルバムを作るにあたって、ボーカルに意識を集中して歌詞の表現を大切にしようという想いがあります。この曲なんかは、その典型的なものだと思いますね」
■では、その歌詞でズバリこだわったこととは?
Chira「自分は割と比喩を多用したりテクニック系の歌詞を書くことが多いんですけど、小難しくて伝わらない歌詞って、歌としてどうなんだ?という想いもあって。この曲はなるべくわかりやすく書くことを意識しました。全体を通して大したこと言ってるわけじゃないですけど、メッセージが伝わることが大事だと思うので」
■朴訥とした世界観と優しい歌詞がよくマッチしていると思います。
Chira「最初の『さようなら』のメロディが、アコギを鳴らしながら自然と出て来ました。歌詞の他の部分は清書の段階で細かく手直ししていますけど、全体的な方向性は鼻歌で引っ張られて来ましたね」
■曲についてはどうでしょう。歌詞を大事にする姿勢が曲作りに影響したことはありますか?
Chira「言葉の雰囲気を尊重する。ギターは主張しない。そんなところですかね。やっぱりアコギで出て来た曲なので、アコースティックなものにしようという前提はありました。ただ、テーマがテーマなので、静かすぎるとメッセージとして重くなるんですよね。深刻に別れを語るのも表現としてはアリだと思うけど、今回は考えるきっかけになれば、という良い意味でライトなテーマだったのでそこには落とし込みたくなくて。王道ですけど敢えてアコギでジャカジャカとコードを弾く、とはいえフォークソングではなく、あくまでも落ち着いた曲調という落としどころを狙いました」


ー幸せな人たち

自分はドラムを叩けないしアコースティックベースも持っていないので、ギターと歌だけで勝負しないと。


■タイトル曲の二つ目は「幸せな人たち」。この曲もアコースティックなナンバーですが、アコギでレコーディングしたのですか?
Chira「これはフルアコをアンプに通して弾いています。『さようなら』とは違ったアプローチのアコースティックな曲を作りたくて、いわゆるアコースティックというよりはジャズ寄りの曲調で整えました。あくまで雰囲気ですけど(笑)」
■歌詞の中ではネコがたくさん出てきます。ジャケットにもネコが大きく写っていますがテーマと関連することはあるのでしょうか?
Chira「この曲は全体を通して一つの比喩になっていて、ネコをとあるものに喩えているんです。ネコ以外にも比喩の対象はあるのだろうけど、中でもネコにこだわった理由は曲調とマッチするからですね。フルアコ特有のふくよかな優しい音色が、ネコのまったりした雰囲気に近いなと思ったので。ジャケットについては、『さようなら』という言葉をうまく表すイメージが難しかったので、抽象的になるよりは具体的なものが写っていたほうが分かりやすいのではと思いネコを起用しました」
■ドラムもベースも入っていないけれどもフルアコはエレクトリックなサウンドで、独特な雰囲気の曲ですね。
Chira「そもそもアコースティックの定義って楽器本来の響きをフィーチャーした音楽ジャンルってことですよね。自分はドラムを叩けないしアコースティックベースも持っていないので、ギターと歌だけで勝負しないと。フルアコを使ったのはギターの暖かい音色を聴かせたかったから。アコギだとどうしても高音が強調されがちで冷たい感じになりやすいんですよね。まぁ、屁理屈ですが(笑)」


ーよもやま話

誰かのことが好きな気持ちって、そもそもがストレートなものじゃないですか。そこに歌詞もタイトルもストレートなものを被せてしまうと表現として深みが出ないんです。


■カップリングの「よもやま話」は打って変わってバンドサウンドですね。
Chira「やっぱりタイトル曲が落ち着いているので、こういう曲も入れないと偏るんですよね。全体のバランスをとるために作った感じです」
■歯切れのいいギターサウンドが印象的ですが、使用した機材について教えてください。
Chira「ギターは全部ストラトです。自分はPODで作った音をMTRにLINE入力で録るんですが、PODって極端で、クリーンかディストーションのどちらかに振りきれることがよくあるんです。この曲はクランチ寄りにしたかったので、POD内蔵のファズをかけてゲインは出来るだけ落とし、ピックアップも普段は使わないリアで弾くことで、こもらず、うるさすぎず、という音作りを狙いました」
■歌詞は片想いのラブソングという雰囲気ですね。
Chira「他の二曲が渋すぎるので、若い雰囲気を入れたくて(笑)」
■「よもやま話」というタイトルはどういう意図があるのでしょうか?
Chira「これも好みなんですけどね。一目見てラブソングだとわかるようなネーミングも素敵だけど、今回はそういったアプローチは避けたかったんです。誰かのことが好きな気持ちって、そもそもがストレートなものじゃないですか。そこに歌詞もタイトルもストレートなものを被せてしまうと表現として深みが出ないんです。デートに行ってごはん食べながらお喋りしているけど告白できない、終わってみたら、結局は世間話をしただけで終わってしまった。自分の気持ちも含めて、今日のデートはせいぜいただのよもやま話だったなと。タイトルは、、、そんな感じです(笑)」


ー今後挑戦してみたいこと

個人的にはCDでしかできない音楽体験を大事にしたいと思っているんですが、結局は曲を聴いてもらえるかどうかの世界ですからね。


■今回の「さようなら」はChiraとして初となるオンライン配信にも挑戦しましたね。今後それ以外に新たな試みは何か考えているのでしょうか。
Chira「今のところ大きなものはサポートや楽曲提供くらいしか考えていませんが、オンライン配信は続けていきたいと思っています。自分の曲がiTunes StoreやApple Musicで流れているって、ちょっとしたものですよ」
■これまで5年ほど活動されてきて初めてのことですが、なにか心境の変化はあったのですか?
Chira「遅すぎるという意見もあるでしょうが、今の時代って音楽を聴く環境が昔と比べて大きく変わってきているので、発信する側もそれに合わせないといけないという思いがありました。ほんの少し前までは、CDさえ作れば、手売りするなりスタジオに置かせてもらうなり、世の中に届けることはできたけど、今はそもそもCDが聴かれない時代ですから。個人的にはCDでしかできない音楽体験を大事にしたいと思っているんですが、結局は曲を聴いてもらえるかどうかの世界ですからね。いろいろ葛藤もありましたが、やって大正解だったと思っています」
■配信について今後の展望を聞かせてください。
Chira「ズバリ、配信だけの楽曲をリリースしたいと思っています。今回はTune Coreというサイトを使って配信しましたが、この方法だとシングルは1曲しか配信できないんですよね。それがカップリングだろうが何だろうが、一枚に複数の曲が入っている時点でアルバムとして配信されてしまう。僕の中で3曲入りのCDってアルバムではないので、シングルを配信するとなるとどうしても1曲ってことになってしまうんです。ここは今後の課題だと思っているのですが、解決策の一つとして配信でしか流さない曲をシングルとしてリリースするのもアリかなとは思っています」


ーアルバムについて

ソロをやっているからといってアコギで弾き語りをするだけが正解ではないと思うので、そういった意味でバンドサウンドを出そうと頑張っている曲もありますね。


■最後に、アルバムについて聞かせてください。
Chira「冒頭でも少し話しましたが、今回のアルバムはコンセプチュアルなものにしようと思っています。タイトル等は未定ですが、テーマとしては「移り変わり」というものを表現したいんですね。人生って不思議で、永遠だと思っていたものが突然終わったりする。ずっと保ってきた信念がいきなり変わったりする。そういった色々な変化を含めて全体で一つの人生だという意識が、ここのところ少しずつ芽生えてきているんです。自分の人生を以てそれを表現しようと思ったら今ここで死なないといけないですけどそういう訳にはいかないので(笑)、一枚のアルバムを人生に喩えて、アルバムという舞台の上でそういった変化や人生の機微みたいなものを表現したいと思っています」
■制作は順調に進んでいますか?
Chira「はい、今のところは(笑)。今回は楽曲数が過去最大のアルバムになる予定なので、ウィークリーで計画を立てて進捗を見ながら毎日進めています。会社員やってなかったらこういうタスク管理はできなかったかもなぁ(笑)」
■素朴な疑問ですが、Chiraさんの場合はリリース日が先に決まっていたり曲数が先に決まっていたりします。リリースのタイミングやアルバムの構成はいつ決めているのですか?制作前なのか、途中なのか。
Chira「構成についてはアルバムを作ろうと思い立った時に決めています。その時のテーマや制作の方向性に応じて、どういう曲を入れたいのか、予め考えておくんです。そうすれば、大体何曲入るか予想はつくので、あとはそれに沿って計画を立て、余裕を持った日にちでリリース日を設定するって感じですね。曲数もリリース日も未定のままアルバムを作ろうとしても、闇雲にデモ音源を作り散らかすだけになってしまうので」
■それでは最後に、リリースに向けての意気込みも兼ねて、どのようなアルバムになりそうか現時点での感想を聞かせてください!
Chira「こればっかりは完成してから聴いてもらうしかないですね。どんなアルバムかというのは聴いた人が決めることなので。、、、ってこれじゃあ記事になりませんね(笑)。うーん。。。(しばらく考え込むChira)月並みな言い方ですが、今までにないChiraを感じてもらえる曲がたくさん出来てきているように思います。それはボーカルのメロディだったり、ギターソロだったり、いろんなところで感じてもらえると思います。ボーカルに関しては、今回の出発点が「歌詞を大事にしよう」ということだったので、歌詞に沿ったメロディラインを意識したことが曲にも表れていると思います。ギターについても良い意味でブルースに縛られず、ハードロックなど自分の好きなジャンルや得意なフレーズを盛り込んでいたり、逆にジャズみたいな今まで触れてこなかったものに挑戦している部分もあります。ソロをやっているからといってアコギで弾き語りをするだけが正解ではないと思うので、そういった意味でバンドサウンドを出そうと頑張っている曲もありますね。J-POP的な要素もあればインディーズのバンド感みたいなものがあったり、洋楽だったりロックだったり色んな楽曲が幅広く楽しめる一枚になりそうです。4/30のリリースを楽しみに待っていてください!」


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