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「そして、バトンは渡された」

今年の10月29日に公開される映画、
「そして、バトンは渡された」。
永野芽郁さん主演で巷では話題になるような映画の予告で
自分自身も気になってました。

作者、瀬尾まいこさんのプロフィール
1974(昭和49)年、大阪府生れ。大谷女子大学国文科卒。2001(平成13)年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年、単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年、『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年、『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年、『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞する。他の作品に『天国はまだ遠く』『あと少し、もう少し』などがある。

普段小説を読まない私は、この映画の予告がとても気になってしまい
急いで本屋に行き、手に取る。

気づいたら、深夜2時。文字の中に吸い込まれるかのように読み進め、
あっという間に読み終わってしまった、、、、

7回も家族の形態が変わったけれど、
そこに潜む小さな日常と大きな秘密が、どうしても心を締め付けて
何度も涙で本が読めなくなってしまいました。

上白石萌音さんの後書きには、向井先生が好きだと書かれてましたが、
私は、梨花さんが大好き。
前を向いてまっすぐで、いつでも楽しんでいて。
それで持って、誰よりも優子ちゃんを愛し続け、優子ちゃんの幸せを願っている。
ピアノが欲しい優子ちゃんのために、人と結婚してまで環境を与えようとする梨花さんの裏切らないところ、本当に愛。

森宮さんと早瀬さんの小競り合いのような会話も心地よい。
森宮さんの無償の愛は「義母と娘のブルース」を思い出してしまった。
自分ではない何かに無性に愛を注いで、その時間を厭わない。

そして、主人公優子ちゃんのあっけらかんとした正確には何度も笑ってしまった。すごい複雑で悲しい気持ちを背負っているはずなのに、「悩み事はありません」と悩みがないことを悩んでしまう。
物語の中でしかないお話なのかもしれないけれど、
こんな愛もあってもいいよね!
と考えながら読んでしまった。

こんなにも不思議な家族の形にもかかわらず
悩みがないと言い張る主人公から始まり、
自分には考えられない世界だけど、
ありふれた日常は想像に難くなくて
ありふれすぎている日常にクスクスってしながらも
愛情というものがそばにある美しさに胸が苦しくなる

瀬尾まいこさん、すげえええってなってしまいました。

まだ読んでない方はぜひ。

これから、瀬尾作品読むぞ。

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