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好きを見つけた方がいい理由(1338字)

「大きくなったらどんな仕事をしたらいいと思います?」
と子供に将来の職業について相談されることがあります。保護者のみなさんは、そんなとき、どのように答えていますか?私は「できたら、好きなことを選んだ方がいいと思うよ」と答えています。けれど、『なぜ、子供に「好きなことをした方がいいよ」と私は言うのだろうか?』と自問自答してみると、その理由がはっきりせず、少しモヤモヤ感が胸に残ってしまいます。今回はそのモヤモヤをスッキリさせたいという思いから『なぜ「好きなことをした方がいいよ」と子供たちに伝えるのか』を整理する回にさせてください。
好きなことなら頑張れる
「成長を実感できること」と「幸福度」は相関関係にあると私はそう思っています。では、「成長するためには何が必要か?」と思い、「成長を実感できたはいつか」を考えてみると、どうやら「ラクしたとき」よりも「大変だけれど、頑張ったとき」でした。やはり、「苦労」や「頑張り」が「成長」を根っこから支えていることに間違いはないようです。
でも、人は、ラクをしたがる生き物です。辛いことからは逃げたくなるのが人間です。誰も扉の向こう側に「苦労」が待ち受けていると分かっていて、率先して「苦労の扉」は開けたくありません。けれど、「好きなこと」をしているだけは、話が別です。もし、「好きなこと」をしていれば、他の人からみての「苦労」を「苦労」とも思わない不思議な現象が起こったり、さらに、好きなことをしていると、「もう少しだけ頑張ってみるかぁ」と思えて、不思議と「苦労の扉」を開けていたりする自分がいるんです。好きなことなら多少の苦労も気が付いたら乗り越えていたり、迎え入れたりできるので、結果として成長を実感でき、幸福につながっていく。だから、「できたら、好きなことを選んだ方いいよ」と私は伝えています。
行動が先で感情があと
 「でも、先生好きなことが見つからないんですよ」と言う子も中にはいます。そんな子に「好きなことなら頑張れるよ」と言っても、会話が成立しません。そういうときは、「何でもいいから取り組んでごらん」とアドバイスを伝えます。なぜなら、「好き」などの感情は「行動」の後についてくるからです。例えば、テストで98点とってから、「悔しい、次は100点とるぞ!!」という感情が生まれるように。まずは、目の前の食べ物を食べてみてから、「おいしい!」や「苦手…」と思うような感情が生まれるように。いつも行動が先で、感情はあとに付いてきます。だから。経験(行動)が浅いうちはまだ好きが見つかっていないのは、当たり前のことです。
ここだけの話、(急にうさんくさい…)実は公教育は「好き探し」にとても相性が抜群。国語から始まって算数、体育、図工、理科、縦割り班活動まで…学校にいるだけで多くのことに触れることができます。とりあえず、出されたものを食べてみるように、好きなことが分かっていない子ほど、「まずはなんでもやってみる」ことが大切で、そこからひょんなきっかけから「なんか好きかも」が見つかるかもしれません。さて、今回は、「好きなことをするのは、苦労にも耐えられるから、たくさん経験(行動)をして、好きを見付けられるといいよね」という話でした。


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