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夏の習慣『盆踊り』

私の習慣は「盆踊り」お盆の先祖供養「盆踊り」櫓の周りに輪を作って踊る「盆踊り」です。


櫓を囲んで輪踊り

核家族化が進み地域交流が希薄になり、盆踊りが騒音問題となり、踊り子の高齢化で継続が難しくなり…等々と様々な理由で盆踊りが縮小されたり消滅したりしていますが、改めて「地域住民が集う櫓の役割」を実感したのがコロナ明けの盆踊りでした。

ようやく少しだけ盆踊りが復活した去年。
久しぶりに会う方々の変化に驚きました。
闘病中のあの人がゲッソリ痩せていたり、3年ぶりに見る赤ちゃんが歩いていたり。

「毎年やってた盆踊りが無いってだけでこんなにひとって変わるんかっ!」

毎年夏の櫓で会う人々。
一年に一度顔を合わせて会話をする人々。

独居老人の安否確認の場でもあり、難病人の健康確認の場でもあり、シングルで子育てを頑張るママの息抜きの場でもあり、ヤンチャな若者を躾ける場でもある、櫓。

こんなご時世にこそ近所の人たちが集う櫓があることは意味深いなと思います。
老若男女問わず会話が生まれ、それが毎年続くことによって「顔見知り」となっていき、櫓以外の場所で会った時にも「盆踊りに来てたやんねぇ?」と声を掛け合う関係性が育まれる、先祖供養だけでなく「盆踊り」の効能は、いろいろな側面を持つ大きいチカラと成り得るのではないでしょうか。

例えば「地域力向上・犯罪抑止」も盆踊りの効能のひとつ。
エレベーターで偶然乗り合わせた小学生に「こんにちは」と声を掛け「何階?」と聞けば途端に「不審者の声掛け事案」と疑われる昨今、盆踊りの櫓では知らない子が近づいて来て私と一緒に踊ってくれるのが自然な流れです。

真剣な眼差しで盆踊りを覚える子供たち

「地元の知ってる子」だけではありません。
私は夏の間たくさんの櫓に踊りに行くのですがそのどこでも、知らない子供たちが私の真似をして盆踊りを踊ろうとしてくれます。
「一緒に踊ろ~や!」と誘えばノリの良い子供たちがワサワサ集まってくるので、私の横で真剣な眼差しで盆踊りを覚えようとしている子供たちを勝手に「弟子」と呼び「今年もよ~け弟子できたわ~」とほくそ笑んでおります。
子供たちの保護者から「去年は〇〇でも一緒に踊ってたで!」と声を掛けられることもあり、もうそうなると「ちょいちょい会う人」です。
そんな知り合いを相手に悪事を働こうなんて考えますか、そんな気はサラサラ起きませんよね。

初めて行った櫓の太鼓打ちのご家族(初対面)

「知らない人と仲良くなる」のも盆踊りの効能のひとつ。
「今年初めて行く櫓」であっても「盆踊り」という共通点のみでまるで前からの知り合いのように一緒に踊って会話をします。
連絡先を交換するわけでも名前を名乗り合うわけでもありませんが「また来年ね~」と言って別れ翌夏に再会すると「今年もよろしく~」と言い合います。
たったそれだけの事だけど「ひとりじゃない」と実感するには十分です。

「盆踊り」が人と人との繋がりをちょうど良い距離感で結んでくれる、それが櫓の役割だと思うので、全国各地で絶えることなく「夏の習慣」として続いて欲しいと思います。


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