境界例水準の人への逆転移が生じた時に、「解釈」を返す必要はない。

カウンセリング場面での、クライエントさんの延々とした沈黙にどう対処するかが苦手というカウンセラーは多い。焦りばかりが生じるからね。

境界例水準の人とのカウンセリングにおいては、カウンセラーへの逆転移 (特に 延々と続く沈黙)は 何ら「解釈」を返す必要はない。

治療者自身がマインドフルネスの状態に入って、リラックスした状態の中で、自分の中に生じる感情や想念を次々脇において、そばにたたずむだけで、有効な展開が生じるというのが私の経験。

私は、日本心理臨床学会で「沈黙のフェルトセンスを共有する」と題して、面接のたびごとに延々とした沈黙状態に入るクライエントさんにこのスタンスを一貫した事例発表をして、後に日本精神分析学会の会長となる座長の藤山直樹先生に、「その調子でやりなさい」とだけコメントされたことがある。

私って、境界例の人に巻き込まれにくいし、そもそも対人関係の中で感情的になることが少ない(自分が軽躁的になって周囲に迷惑をかけることはあると思うが)。

まあ、唯一の例外だったのは、私の妻に対してであるが。

これも自分ひとりでフォーカシングができるおかげである。

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