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「察してくれ」より「話し合おう」

今日はライター交流会のレポート(続き)を書く予定でしたが、ふと思いたち、個人的に感じていたことについて書きます。

「察して欲しい妻」と「言わなきゃわからない夫」の間の大きな溝

先日ツイッターを見ていたら、「夫が育児の大変さを察してくれない」という若いママのツイートが流れてきました。

多くは同じように小さなお子さんを持つママたちによる共感のリアクションでしたが、その中で異彩を放つひとつのツイートがありました。

「言わなければわからない。察するのは無理」

それは、お父さんと思しき一人の男性からの、そんな内容の返信でした。それはまるで夫への怨嗟に満ちた罵詈雑言を綿々とつぶやくママたちに反旗を翻すかのような一言で、「ああ、これは絶対炎上するわ……」と直感しました。

案の定、その男性の呟きにはものすごい反論の嵐。予想通りの大炎上。おかげで男性はその対応に四苦八苦する羽目になって気の毒でした。

子育てママには悪いけど「やっぱり言わなければわかってもらえない」と思う

実はこれについては、私はその男性と同意見です。

うちの夫は古風すぎる人間で、「育児は女の仕事」と刷り込まれています。私の育児の大変さを察するどころかはっきり言っても自分が面倒で子育てに関わりたくないらしく、全て右から左に流されました。長年ずっと何も答えない壁に向かって話をしているような気分でした。多分同年代以上の多くのママも同様だと思います。

それに比べれば、炎上元の男性ツイ主はまだ妻の言葉に耳を傾けようとしているだけはるかにましです。それを読んでいて「今はなんていい時代になったんだ?」と感動すら覚えます。

だからこんなことを言えばボコボコに叩き潰されそうですが、

「今のお母さんはどこまでわがまま勝手なの?…母になる覚悟が足りないんじゃないの?」(失礼)

と私などはどうしても思ってしまうんですよね。

「察する」は高等すぎるテクニック・普通の人には無理だと思う

どんな人間関係においても、例えばそれが親子であっても、「何も言わずとも察してくれ」は難易度が高すぎるテクニックです。読心能力があるエスパーならともかく、ごく平凡な人間に「私の心を読め」なんて言われても無理な話です。そのために言葉という伝達手段があるのではないでしょうか。

誰だって相手に何も言わないことには思う事は伝わりません。本当に育児が大変で追い詰められているなら言葉でちゃんと自分の胸の内を夫に言うべきです。

言って夫が少しでも態度を改めてくれるなら結果オーライじゃないですか?エスパーじゃない普通の人間相手に悶々とした思いで「察して欲しい」と怨念を飛ばすより、そう思った時に口(あるいはメール等)で「こうしてほしい。ああしてほしい」と言ってしまった方が楽ではないでしょうか。

例えば「あなたとじっくりお話がしたいわ……」と、鬼気迫る表情で夫の胸倉をつかんで脅迫するぐらいの気持ちで迫らなければ、夫は妻がどれだけ辛いかなんて知ろうともしない。ならば言葉ではっきりとこちらの要望を言わなければいつまで経っても思いは伝わりません。

もし同じことを夫に言われたらどう思う?とママたちに問いたい

また、逆にこんな問いを投げかけて良いでしょうか?

「夫が仕事の後疲れ切った様子で帰ってきたとき、自身も一日の仕事や育児でズタボロな状態になっている精神状態の中で、夫が疲れていることを察して心からねぎらう余裕がありますか?」

多分、余裕のかけらもない子育て真っ最中のママにそんな余裕はどこにもないでしょう。おそらく「何言ってんのこいつ?甘えんな!」とばかりに怒りが爆発してしまうのではないでしょうか?(かつては私もそうでした)

そう。結局妻も夫も同じなんですよ。

自分に全く余裕がなければ相手の大変さを推し量る心の余裕などあるわけがないんです。そんな状態で「察してよ」と要求したところで、こちらが期待するようなリアクションが返ってくることは決してありません。だからこそ、「言葉でのコミュニケーション」がとても大事なのではないでしょうか。

心に余裕のない状態で自分以外の誰かに思いやりを発揮する事など不可能です。また、置かれた立場により違った大変さを抱えてみんな生きています。

夫婦は所詮「他人」だからこそ言葉でのコミュニケーションが重要

悲しいかな夫婦は「所詮他人」。生まれも育ちも違う赤の他人が生活を共にすれば意識のずれは半ば当然です。

実の親子でも中々分かり合うのが難しいのに、血のつながりが全くない他人にそれ以上の理解を求めたところで無駄です。ただむなしさで一杯になるけではないでしょうか。

だからこそ、何度も言うようですが、夫婦はとことん言葉を尽くして話し合うべきです。そして心の中に澱のようにたまった負の感情をすべて言葉にし、お互いがお互いの立場や辛さを理解できるようにするしかありません。

それでもなおダメだと思うなら、もはや離婚、あるいは家庭内離婚しかないと腹をくくるしかありません。そこまでの覚悟が持てますか?もし持てないならやはり諦めずに会話をしたほうがいいと思います。

結婚は終わりなきバトルの始まりだ

結婚はゴールに例えられますが、実はスタートです。また、結婚生活は現実の厳しさそのものでもあります。はっきり言って結婚生活は毎日がバトルです。生半可な気持ちで同じ人間と何十年もともにすることなど出来ません。

ふわふわした夢のようなことを結婚生活に求め、厳しい現実に打ちのめされるのが嫌ならば最初から結婚などしない方がよい。結婚するなら、ましてや子どもを育てるなら満身創痍になる覚悟を持て!と厳しい事を言いたくなります。

それが銀婚式を過ぎた私の正直な気持ちです。

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