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50代での新たな挑戦はとてつもない勇気と切羽詰まった事情が必要だが、年代なりのアドバンテージもある

Webライティング界隈には50代以上の人をあまり見かけない。

もちろん、若いころからこの世界で揉まれ続けて生き残っている超のつくベテランには結構そのような人がいる。しかし、私のように50代から新たにこの世界に足を踏み入れた人は意外と少ないような気がする。少なくとも、私の知る限りではほぼゼロに等しい。40代後半だとちらほらいるのだけど。

その理由は、私の周囲にいる50代以上の人を見ればなんとなくわかる。

・いまさら未経験の仕事をするつもりはない
・Webライターという仕事があることを知らない
・インターネットの仕事は胡散臭いと思っている
・そもそもPCやインターネットの知識に乏しい

そんなところだろうか。でも私にはその気持ちが痛いほど理解できる。

この年代になると自らの体力や能力の限界をほぼ正確に把握できる。また、頭が固くなってくるため、変化への対応が遅くなる。そのため、目まぐるしい変化に対応できなくなるリスクを恐れ、現状維持を旨をする人が増えてくる。

実は私も、再就職先としてまず考えた仕事は、過去の職歴を生かしたパートやアルバイトだった。しかし、当時は子育て後の空の巣症候群と更年期障害がWで襲い掛かり、体調も精神状態も最悪、1日の半分はぐったりと横になる状態にあった。そんな無職の主婦に、簡単に働き口など見つかるはずもなかった。

それでも私は働きたかった。生きている実感がまるで得られない屍のような状態を脱するきっかけをつかむために、また、人生に先が見えてきた自分の老後の不安を払拭するために。

幸い、私は20年以上PCやインターネットと日常的に関わっており、それらを利用して家でできる仕事を得られる可能性はゼロではなかった。

そこで、それまで考えていた仕事に就くのは諦め、半ばやけになって「この際怪しげな内職サイトでもなんでもいいや」と、クラウドソーシングのランサーズに登録したのだ。それが今のWebライターの仕事につながるとは思いもよらなかったが。まあ、人生なんてそんなものなのかもしれない。

今思えば、ランサーズに登録した当時、新しい挑戦をする事への恐怖心はものすごかった。しかし、「現状のままだと体が弱り頭がボケてしまう」という危機感の方がはるかに強かった。

子供たちも私の変化に気づき、「お母さんボケるんじゃないか?」と心配していたので、その心配を払拭しなければとも思った。そういう切羽詰まった事情がなければ、おそらく今の自分はなかっただろう。

このように、50代で新しい挑戦をするということは、若い時とは違いとてつもない恐怖を伴う。よほどの事情や動機がなければなかなかできない事なのだ。

だから、同年代で前職と違う仕事を始めた人や、たとえプチ起業でも個人事業主となった人は相当勇気があるか、私のように切羽詰まったかのどちらかだと思う。でなければ、この先どう転ぶかわからない新たな挑戦などとても恐ろしくてできないものだ。

しかし、挑戦してよかった思ったことがある。自分が仕事を獲得する上で有利な点を2つ見つけたことだ。それは、この年代ならでは経験値と、同年代以上の同業者の層が意外と薄いということだ。

私が知る限り、昔からライターとして仕事をしている人でも、Webを自由自在に駆使している人は比較的少ないような気もするので、そこに私が入り込む余地がありそうだ。

特に、自らの人生経験を生かし若い世代と差別化できる現在の仕事では、競争相手がとても少ない。なぜならPCやインターネットに疎い人が多い世代だからだ。そのため、この先同じ仕事に就く同年代以上が増えても、私はその一歩先をリードすることは十分可能であろう。おそらくそこに私の活躍の道はあると確信している。

この仕事を細々と続けて2年。大した能力も営業力もないのになんとかここまで続けてこられたのは、この2つのアドバンテージがあったからこそ。そう考えると加齢も悪くはないかもしれない。

折しも先日、あるライターサイトのテストに無事合格した。それでようやく内職を脱してスタート時点に立つことができたような気がする。去年の自分には到底想像もつかなかった急展開で、戸惑いもかなりあるのだが、もう後戻りできないところまで来ているので、とりあえず進めるところまで進んでみようと思う。

もう50代。しかし人生はまだまだ続く。だから、こんな年齢でも必要とされている間はどんどん新しい挑戦をしてみたい。もちろん、若い人のように勢いにまかせてガンガン行動することは無理だが、私なりにマイペースで、心が動かされたものに挑戦しようと思っている。

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