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『ディアーマイウィッチクラフト』/いよわ【AT1選note投稿祭】

(遅れました、すみません、、、きのう寝落ちしてしまった上にみなさんのnoteに対して見劣りするように感じて投稿をためらっていましたが、せっかくなので参加させていただきます!)

※限界成人男性の自分語りが含まれます。
※考察ではありません。

AT1選(オールタイム1選)がはっきりとは定まってないのでどの曲について書こうか迷いました。
…ひとりのボカロP、大好きないよわさんの曲のなかで。
いよわさんへの出会いの曲にしようかとも思いましたが、テーマが特に好きなこの曲にします。

 (ぜひ聴きながら読んでください。)


イントロ~1番

ピッチの上がり方すき

コメ番732

まずイントロからよすぎませんか??ピアノのピッチの上がり方、不安定さを感じるシンセ、かわいらしいシロフォン、大好きです。『わたしは禁忌』や『一千光年』もそうですが、下から徐々にアプローチするピッチベンドに胸を締めつけられるような気持ちになります。あまり歌詞を意識せずに聴いていたときからこれだけでこの曲が好きになりました。
(ここから歌詞についての言及が多くなりますが、言語化できなかっただけで音が好きな思いが大前提としてあることを先にお伝えしておきます。)

そしてAメロに入るとこの顔です。いよわさんの描く表情からしか摂取できない栄養があります(唐突)。曲そのものももちろんながら、かわいさに溢れつつもどこか不安になるようなイラストや動きも大好きです。

ぼやけたいつもの部屋が
いきなり光った!

Aメロ終わりの"ぼやけたいつもの部屋"と"いきなり光った!"という対比、そしてそこからBメロなしにサビに入り、オクターブ跳躍から始まるメロディー。
美しすぎませんか????しかもまだ興奮は続きます。

魔法がつかえたの
魔法じゃなきゃ説明できないことが起こったの
夕やけみたいな色の
キセキをみたよ
魔法がつかえたの
「あの日のあの時失ったものが
戻ってくるのなら」
そう思って飛びだした
こどうを おさえて

畳みかけるようなフロー、"夕やけみたいな色(オレンジ!!)のキセキ"という表現、"あの日のあの時失ったものが戻ってくるのなら"というセリフから感じられる抱えた過去の気配が、リスナーをまほちゃん(主人公)の昂った感情に誘ってきます。また余談ですが、"こどうをおさえて"が"コードをおさえて"にも聴こえますね。
しかし、楽しい時間は長く続きません。

2番

ほころぶ 魔法使いに
突然 同じ声が ささやいた

「何回 使った?」って

「魔法は使えるの?

"魔法がつかえたの"というまほちゃんのセリフから"魔法は使えるの?"というまほちゃんが言われたセリフになってしまいました。いま気付きましたが、ひらがなと漢字でも対比になってますね。

まだまだこれからです、ここからがこの曲の肝です。

まだいつでも直せるものを大切に
思い続けられるの?
魔法で直した友情はホンモノなの?

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(自分語り)

(読み飛ばしていただいて構いません。)

わたしがボカロ曲を聴きはじめたのは社会人になってから、吹奏楽部に所属していた高校を中退して居場所やアイデンティティを手放したような喪失感に苦しんでいたころからでした(弱小校ですけどね)。加えて言えば、大学に進学する以外の選択肢がない環境からドロップアウトした訳です。そんな中でボカロに出会い、さらにしばらくして『きゅうくらりん』に出会いました。

かつてない衝撃を受けました。まずひたすら音に圧倒されて、それからいよわさんの曲を聴き漁るようになり、歌詞を含めた世界観にも惹かれていきました。

もう 時計の針は 逆には進まない

『さよならジャックポット』

思い出すのは いつも
小さく輝く コインの絵柄だけ
いちばん キレイな 記憶だけだから

『さよならジャックポット』

いろんなものごとを描いてリスナーを狂わせるいよわさんですが、わたしは時間の不可逆性という点で共鳴するものが一番大きくあります。ありきたりかもしれないことを書くと、わたしは戻れないことが過去を過去たらしめていると思っています。
楽しかった瞬間の記憶や憧れていたとある同級生がいつまでも頭から離れきれなくて、精神だけ過去に囚われつつも身体は時間に抗えず、ついには同級生が大学を卒業する歳になってしまいました。でも楽しいことばかりだった訳ではないんです。なんなら戻れるとしても戻りたくもないですし、やり直すことが正しいとも思いません。なのに思い出すのは"いちばんキレイな記憶だけ"で、、、過去を美化したくないとは昔から思っていますが、時間というのは残酷なもので、不可逆が故の儚さによって過去を余計に輝いて見せてしまうものなんでしょうか。
そんな訳で後ろばかり見ている自分には、思い出の残酷な美しさをあまりに印象的な音に乗せて描きあげ、強烈な個性を持ってボカロシーンを駆け抜けるいよわさんは大きすぎる存在として映っています。音楽への中途半端な未練によって大した向上心もないまま弱小ボカロPをやっている自分には。

誰かがした冒険の
おすそわけを見ている
いつだって、かっこよくて
あこがれてる

たびのまえ、たびのあと

(とっくにいよわさんもたくさんの人にとって憧れの存在になれてますよ、、、!!)

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ラスサビ

魔法がつかえたの
魔法じゃなきゃ説明できないことが起こったの
夕やけみたいな色の
キセキをみたよ
本当よ

2回ある"魔法が使えたの…"のとこ、初めは感動を伝える言葉だけど、2回目は必死に言い訳してる感じ

コメ番733

"キセキをみたよ"まで1番サビと同じ歌詞なのに、こちらは泣きながら釈明をしているように、あるいは今とは違い楽しかったときの思い出話をしているように映ります。2番サビとは違い、こんどは歌詞ではなく文脈によって違った意味合いが持たされていて文学ですね

「魔法は必要だった?
壊れたもの全部もとどおりにすることが
救いにはならないよ。」
涙が見えた 気がした

2番サビのセリフと本質は変わりませんが、こんどは優しく諭しています。これ、画面越しに語りかけてきているような気がしませんか。明確に"あなた"に向けた曲である『1000年生きてる』を除き、特にメッセージ性が強いように感じました。それが強くわたしの心に残っている大きな理由なのかな、といま書きながら思っています。

アウトロ

アウトロに入るとともに転調して少し落ち着きました。まほちゃんは目が覚めた/醒めたみたいです。夢だったんでしょうか。

夢じゃなかったのかもしれません。どちらにせよ、ラスサビまでにあったことを受け止めて立ち上がったみたいです。素敵な笑顔ですね。

おわりに

申し訳ないことに"AT1選note"という本題から離れた内容が多かったかもしれません。にも関わらずここまで読んでいただきありがとうございます。最後になりましたが、下記のnoteを拝見した上で書かせていただいたことを共有いたします。受け売りのような内容になっていたら申し訳ありません。そして、内容についての解釈を読んでみたい方はぜひ。

聴いたことがなかった方に向けて

どうですか、ディアーマイウィッチクラフト。いちリスナーとして、良さがより広がったら嬉しく思います。この曲が気に入った方には(こちらも聴いたことがなければ)『パジャミィ』もおすすめします。きっと心の成長への抵抗に寄り添ってくれる、そんな曲です。

いよわリスナーさんに向けて

こんな浅い奴が同じリスナーなのかと不快に思われたらすみません。たぶんわたしなんかよりももっと苦しさを抱えた方も多いことでしょう。そんななかでこんなことを書く後ろめたさはありますが、ぜひいよわさんの気持ちを1000年生かせましょう、そしてあなたの気持ちが1000年生きられることを信じてください。

生き汚く生きて何かを創ったら
あなたの気持ちが1000年生きられるかもしれないから

『1000年生きてる』

追記(超会議行ってきました)

またこの人ボカニコにキーボード持ってきたしMV投稿してるよ、、、!!しかも3rdアルバム発表!?!?近いうちにあるだろうとは思ってましたが、、、!!

(気を取りなおして)DJに関してですが、生演奏を取り入れたプレイにも磨きがかかっていて、なにより本当にボカロが好きで楽しんでることが感じられて最高でした。

いよわさん、ありがとう。

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