見出し画像

「結婚はしてみたほうがいい」と言われた話

以前働いていた職場の上司に言われた言葉。

「結婚はしてみたほうがいい」

「してみたほうがいい」?

してみるってそういう軽い感じでいいのか、と。

まだ、その上司には会って間もない頃の話で、

わたしと同時期に入った新人の若い女の子が

新人研修の際に

「彼氏いますかあ?」

と上司に聞いたとこから始まった話だった。

「彼氏いますか?」

と聞くぐらいだから

見た目が若い上司。

わたし自身も

「わたしより少し上?」

くらいかと思っていた。

まさか、ひとまわりも上だなんて。

上司は「いるよ」と答え、

女の子はすかさず「結婚したいですか?」と聞いた。

上司は、「今は考えてないけど」

「結婚はしてみたほうがいいよ」

と。

一緒にいたわたしは、思わず

「うん?」と聞き返してしまった。

「上司さん、結婚してるんですか?」

「いやあ、昔ね。バツイチなんですよ、わたし。」

昔ねって…

この人は魔女なのか。

(本当に、見た目若いから…)

そして続く言葉が、

「子どもも産めるなら産んどきなさいね」

と。

「子どもさんいらっしゃるんですね」

と聞くと

「高校生と中学生が2人」

と。

混乱した。

完全にバリバリのキャリアウーマンで独身かと思っていた美人上司に、

結婚経験があって、大きい子どもも2人いるなんて…

この人のいう

「結婚してみたほうがいい」という言葉は、

なんとなく重みを感じた。

それから、わたしは「結婚」をかなり意識するようになった。

過去に何度か、

無性に「結婚したくなる」ということはあったものの、

周りの同年代の子たちが、

SNSなどでの結婚や出産のおしらせするのを目にすることが多くなり、

「みんなしてる…」という若干の焦りがあるくらいのものだった。

例えるなら

学生時代、

親に「みんな持ってるんだからケータイ買ってー」という

気持ちとほぼ一緒だと思う。

でも、

「してみたほうがいい」

という、一見結婚を軽く捉えているようだが、

すごくわたしにとっては重みのある言葉を聞いてからは、

その先に何があるのだろう、とワクワクするようなものに変わったのだった。

ここから先は

1,826字

¥ 500

いただいたサポートは今後の活動資金(イベント出展、個展など)や、もっと面白いコンテンツを作るためのモチベーションとさせていただきます。