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【社内推進3年目】伴走支援で心掛けていること・気付きをまとめてみた


はじめに

2021年度より社内のTableau利活用推進を担当しており、
早いことに「石の上にも3年」の3年が経とうとしています…!
(「桃栗三年柿八年」だと、もう5年ですね…!)

「ビジネスユーザーの自律・自走化」をモットーに、Tableau Doctor(技術支援)や伴走支援を中心に、これまでユーザー育成を努めてまいりました。

社内コミュニティ醸成に関する記事はいくつか見掛けたことはありますが、
「伴走支援」をテーマにした投稿は余り見掛けないため、
今回振り返りも兼ねて、noteを執筆することにしました。

個人的に大切にしていることにはなりますが、
何か参考になる部分があれば、大変嬉しいです!
また意識している部分があれば、是非共有していただけますと幸いです。 

伴走支援で心掛けていること


私の中では、伴走支援は「体育祭の二人三脚」のイメージ。
お互いの歩幅を合わせないと、途中で転倒してしまいます。
息を合わせて完走するために相互理解をし、
腕の振り方や足の出し方、声の掛け方を決めていく必要があります。
(体育会だよね、とよく言われます笑)

社内ユーザー向けの伴走支援で難しいところは、まずパートナーとなる社内ユーザーは、「必ずしもTableauをはじめ、データ活用に興味関心があるとは限らない」こと。

サポート別のユーザー層(個人談)

Tableauの良さを伝えようと熱心に語りすぎると、相手を置いてけぼりにしてしまい、モチベーション面で躓き転倒してしまいます。推しへの気持ちはグッとこらえて(笑)、はじめは「言葉や使用する機能はシンプルに」「できたら褒める」を心掛けています。ユーザーによるため、あくまでも一例ですが、ディメンションは分析軸や見たい切り口、メジャーは指標や見たい数値と伝えたりします。

もちろん私にも課題があります。CoE組織から事業部への支援、つまり事業部の社員ではないため、「現場の課題や業務フローに対する理解が浅い」ことが課題として挙げられます。社内推進1-2年目は、inputデータと可視化したい観点や見せ方を中心にヒアリングしていましたが(ダッシュボードの完成イメージが描けている状態で良しとしていた)、「ダッシュボードから得た気付きを行動に繋げ、振り返りまで行っていただく」ためにも、3年目からは、業務理解のために社内ドキュメントを読んだり、業務に関するヒアリングの割合を増やすなど、ビジネスに対する解像度を上げる様に努めています。

工夫していること

ここからは、伴走支援の手順に沿って、
工夫していることを紹介していきます。

① 開始時:ビジュアル分析のサイクルをレクチャー

ビジュアル分析のサイクル(Tableau Blueprintヘルプより)

社内推進3年目から導入した取り組みです。伴走支援を数件こなしてきた頃にユーザーヒアリングを実施したのですが、「ダッシュボードのリリースで満足してしまい、インサイトの獲得(Develop insight)で止まってしまっている」ケースや「はじめから100点満点のアウトプットを目指してしまい、展開が遅くなってしまう」ケースが多いことに気が付きました。「ビジネスユーザーに、サイクルを回す重要性が伝わって(伝えて)いないからでは…?」と考察し、それ以降は開始時にビジュアル分析のサイクルを必ず伝える様にしています。

② 計画~要件定義:ヒアリングとワークシートで整理

まずヒアリングですが、以下を中心に確認する様にしています。

・As Is(現在の状態)とTo Be(理想の状態)を確認する
 ・業務課題とゴール(施策やダッシュボードの効果を評価)を明らかに。

最終目標達成に必要な要素を洗い出すために、KPIツリーを作成する

5W1Hや分析軸・見せ方(比較or推移)を整理する

画面モックアップを作成いただく
 ・
可視化したい要素が多くある場合は優先度を設定。
 ・活用シナリオに適した構成か一緒に確認。
 ・図や説明文から良い見せ方があれば提案することもあります。

ビジネスユーザーが一部事前に用意してくださっているケースが多いため、
不足箇所を打合せで整理したり、追加依頼する様にしています。各フレームワークはインターネット上にあるため、気になる方は是非調べてみてください!

また余談になりますが、この様な工夫をする様になったのは、社内ユーザーから以下の様な言葉を多くいただく様になったことがきっかけです。

・他部署のダッシュボードを見て、同じ様なものを作りたい
・このExcelファイルをTableau化したい

社内事例を見て、「Tableauやデータ分析に挑戦したい」という気持ちは嬉しい反面、業務課題や可視化したい要素によっては適切な見せ方が異なりますし、ダッシュボード作成で満足してしまうのではないか、という危機感を抱きました。

以降は上記の様なフレームワークを活用し、前述した通り「ダッシュボードから得たインサイトを基に、行動に繋げ、振り返りや新たな問いに繋がる」様なアウトプットが出来る様に努めています。

③ ダッシュボード構築

お互いの歩幅や腕の振り方、足の出し方、声の掛け方などが決まり、
ようやく走り出す準備ができました。

ダッシュボード構築においての伴走支援では、社内ユーザーのスキル定着や部署内での引継を見据えて、以下を意識しています。

はじめは赤枠の範囲でサポートし、必要なタイミングで使用機能を広げていく

1.ドラッグ&ドロップやクリックで実現可能な機能を使用
2.LOD、セット、パラメーターは1.習得後に使用する

この考えは初めて伴走支援の担当になった際、当時の上司(DATA Saber師匠の師匠)から頂いたアドバイスです。双方で実現したいこと・できることはありますが、まずは「簡単な操作で可視化できる印象」を持っていただける様に心掛けています。

LODやセット、パラメーターなどを使用する際は、実装方法のみをレクチャーするのではなく、挙動の確認や再現性を高める様な工夫をしています。

例:顧客ごとの初回オーダー日を算出する

①可読性の高いワークブックになる様に習慣付け
②検算用のシートで挙動を確認し理解を深める

おわりに

伴走支援3年間で得た知見を今回まとめてみましたが、いかがだったでしょうか。文章化してみると、工程ごとに大切にしていることが分かった反面、体系化できていない部分も明らかになり、居住まいを正す機会に繋がりました。

社内向けの伴走支援は、本業の合間を縫っての作業のため、「根気強さ」が時に求められますが、支援後に「新規テーマでの分析やダッシュボード作成に挑戦してみたい」という声や同僚と一緒に社内Tableau Doctorに参加する姿を見ると、規模は小さいですが、データカルチャーが広まって良かったなあ、と感じます。

2月から新しい環境で、Tableauを中心に社内のデータ利活用推進に取り組んでいます。学ぶことは多いですが、私の行動を通して、関わった方が「#Tableauと出会って良かった」と感じていただいたり、「統計学やMLなど、データサイエンスについて深く学んでみようかな」など、個人や組織に対して、ポジティブな変化や可能性を広げられることを信じて、今後も邁進していきます。

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