見出し画像

入居者紹介vol.6~森林共生アプリシエイト株式会社・深堀崇弘さん~

入居者プロフィール

深堀崇弘さん

出身:岡山県(育ちは関西)
ちよプラ入居時期:2021年9月
趣味:
・登山(最近は行けていないのですが、北アルプスを縦走したこともあります。山頂から見る朝焼けや星空は格別です!)
・テニス(地元の仲間に誘ってもらって月に2,3回やっています)

なぜこの会社へ? 2つの課題意識

しまゆしのテラスにて

ー本日はよろしくお願いいたします!まずはお仕事について教えてください。

森林共生アプリシエイト株式会社で働いています。「森と共に感謝しながら歩んでいくこと」が社名の由来です。去年生まれた会社です。

ーそうなんですね!それまではどのような会社にいたのでしょうか?

オフィス家具のメーカーにいました。
2002年くらいから、国産材を使おうという動きを家具メーカーとしていち早く対応していて、その部署に関わっていました。

ー2002年ですか!SDGsが採択されたのが2015年なので、先見の明がありますね!

その部署は事業としての規模が伴わなくて、撤退してしまったんですけどね。

その部署に関わる中で環境問題に関心が生まれ、地球環境が壊れていく中、ものを作って売らないといけない状況に矛盾を感じるようになりました。

ちょうどその頃、今年のちよプラ周年イベントに登壇していた藻谷浩介さんの著書「里山資本主義」が出版され、読んで刺激を受けました。関連イベントに参加しているうちに弊社代表の白鳥と縁があり、今の会社に参画することになりました。

ー前職で生まれた課題意識を今の仕事につなげているのですね!

そうですね。環境問題の解決に関わりたいという思いがあります。

それともう一つ、日本人の自己啓発の意識の低さに対しても課題意識があります。日本人は現状の仕事に不満を持っていても、転職してやろうという気概がない人が多い。

日本の働く個人は不満だらけにも関わらず「今の会社を辞めたい」というスコアだけは他国と同水準

(出典:リクルートワークス研究所「5カ国リレーション調査」(2020))

僕としては、日本人にもっといきいきと働いてもらいたい。会社としては国産材を扱っている。そこで「日本のオフィスを変えるために、国産材を使おう」というロジックをどうにか繋げたいと考えています。

ー働く空間が心地良いと気持ちよく働けるし、国産材にこだわりを感じられると自分の仕事に対する意識に良い影響がきっとあると思います。
ちなみにちよプラでも、千代田区の連携地域の国産材をオフィスの家具に導入予定(※)です!

※インタビュー当時(2022年9月)。現在はリニューアル済(下記note参照)

林業の現場にも携わっている?🌳

ー深堀さんは林業の現場にも携わっているということですが、詳しくお聞かせください!

林業そのものに携わっているわけではないのですが、週に1~2回相模原の津久井に行って、国有林を管理している津久井森林管理事務所の非常勤職員(アルバイト)として林道の整備や様々な調査に関わっています。この間はナラ枯れの原因であるキクイムシの調査をしました。

相模原市(赤線左)と津久井(スター印は津久井湖)。深堀さんの住む川崎市(赤線右)とはお隣

ー林業の流通の一番最初と一番最後に関わっているのですね!視野が広がりそうです!

そうですね。現場の仕事に関わっているのも、このままの知識で営業を続けても、都市で働く人々の目を林業の実態に向けさせることはできないと思い、現場を知ろうと林業の勉強会に参加したことがきっかけです。

例えば農業では食べチョクさんのように生産者と消費者をつなげる動きがありますが、林業は原木を丸太に、丸太を木材に、と商品になるまでの工程が多く、生産者と消費者の距離がとても遠いんです。

(参考 食べチョクと通常の流通ルートの比較)

日本は国土の3分の2を森林が占める一方で、国産材を使いこなせていないという課題があります。その原因の一つは流通。流通過程が長いと価格がどんどん高くなってしまい、価格競争で輸入材に負けてしまう。一方で原木の価格は低く抑えられてしまい、林業従事者の収入が上がらない。

こうした課題の解決のために、都市で暮らす人々に自分たちの暮らしが森の存在に恩恵を受けていること、森や林業が様々な課題を抱えていることをまずは知ってもらい、木材の利活用の活動を通して、国土と林業を守ることに繋げていきたいと考えています。

ー私は林業関連のアルバイトの存在を、恥ずかしながら初めて知りました。アルバイトの存在を知らないだけで、実際にはやりたい人もいるのでは?と思いました。

どうでしょう、増えて欲しいんですが、実際のところ林業はとても過酷ですからね、、、。ヒルの襲撃や蜂におびえながら作業をしています笑

晴れた日の森林の中で、木漏れ日や小鳥のさえずり、木の揺れる音、風を感じながら過ごすのは格別な環境なんですが。

ー現実は難しいですね。。

緑の雇用といった林業従事者を育てる林野庁の事業や、WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜という林業がテーマの映画が上映されるなど、少しずつ注目されてはいるので、若者の従事者が増えて欲しいと思います。

休日も一次産業🍆🍅🥬

ー休日はどんなことをしていますか?

近所の農家さんから畑を借りて家庭菜園をしています。
今住んでいるのは川崎市の畑の多いエリアなので、うちでもできたらいいなと、散歩をしながら貸してくれる場所がないか探していました。近所の畑をやっている見ず知らずのおばあちゃんに聞いてみたら、「うち貸してやるよ」と言ってもらえました。

ーコミュニケーション能力が高いですね!笑

土日に畑作業をしていると、いろいろとアドバイスをもらえますよ。
あとは、お裾分け文化もあります。僕はもらう一方ですが笑

ー畑がきっかけで、そのようなコミュニケーションが生まれるのはとても素敵ですね🙌

まだまだ初心者なので、とてもありがたいです。
ちよプラを紹介していただいた西城さんも菜園のプロですが、意外と会えないので、屋上農園の栽培方法を見て参考にさせてもらっています笑

ーそうでしたか。夏にはちよプラアグリという取り組みをしており、西城さんからプロの知識を教えてもらえる機会もあります。興味があればぜひご参加ください!

ー改めて、本日は楽しいお話をありがとうございました!

ありがとうございました。

編集後記

私は深堀さんとは年が2周りほど離れているのですが、年の差を感じない好奇心の強さと行動力を感じました。
自身の体験から生まれた疑問や興味に従って本を読んだりイベントに参加したり、思い切って話しかけてみる中で、結果的に縁が生まれ、やりたいことをやれる環境にたどり着いている人生はとても楽しそう!と思いました。行動力に年齢や性別は関係ないんだ、と勇気づけられもしました。

WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」は三浦しをんさんの原作小説で読んだことがあり、面白く読んでいたのですが、今回改めて林業について知り、課題の重さや現実の厳しさを知りました。。。
自分はアルバイトの選択肢を取ることはできないのですが、林業1日体験のようなものがあれば体験してみたいと思いました(岡山県美咲町などでは開催されいているようでした)。この記事によって、林業に関心を持つ人が増えて欲しいと思います!

(市村)

森林共生アプリシエイト株式会社について

東京都港区の木材利用推進の制度である『みなとモデル』の運営管理に10年間携わった経験により、川上、川中、川下に位置する様々な事業者の方々とネットワークを構築するとともに、有意な経験を積み重ねてまいりました。 林産地、都市の市場の状況をともに把握していることを強みの一つとして林産地と都市を繋ぐ役割を担うことで、森林が本来発揮するポテンシャルを伸ばし、二酸化炭素の吸着量の増加や山林の土砂崩れの抑止等、顕在化している社会課題の改善に貢献してまいりたいと考えています。

イベント情報

12/8(木)、9(金)13:00〜14:00に、uni4m FOREST-SCHOOL SEMINARトークイベントを開催予定です。

12/8のゲストは今人気沸騰「材木ラジオ」で有名なVUILD株式会社のお二人、井上達哉氏と山川知則氏。
12/9のゲストは農林水産省キャリアを辞め、株式会社モリアゲの設立をした長野麻子氏。業界をリードする今話題の方々をお招きしているので、ぜひ会場に足をお運びください。

イベント詳細
日時:
12/8(木)、12/9(金)
時間:
両日13:00〜14:00
会場:港区立産業振興センター 札の辻スクエア 11階
参加費:無料

ちよプラについて

多世代・多地域がつながり育つシェアオフィスーーちよだプラットフォームスクウェアは、様々な世代と地域が共創しながら、新たなビジネスや文化を生み出していく為の拠点施設です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?