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私なりの小説調理法

「小説ってどうやって書いてるの?」
note関西meetupのセカンドテーブルでこのような話題になりました。4人中、小説のアップ率がかなり高めの私がすこしその場でお話したことをこちらに書き記したいと思います。

私が大好きな作家さん、有川浩さんは、何かの本のあとがきで“キャラクターが勝手に動き出す”と述べていました。あとがきを読んだときに「やはりプロとなるとそういうものなのか……!」と思った数年前の読み手だった私。いざ書く側に回ったときにはこの言葉が頭のどこかに残っていたのでそうなるかと思いきや、残念なことに私はそのタイプではありませんでした。

私がnoteにアップしている掌編、短編、長編(と言ってよいのか?)小説は、「事実と妄想」でできています。事実が3割くらいベースとなり、そこに妄想と願望を混ぜ合わせてできています。料理みたい。いや、魔法か? メルヘン。

「この人にはこう言ってほしかったから言わせてしまえ」という妄想から生まれたセリフ、「あの発言にOKと返したかったけど返せなかった。だったらここで返してみよう」と言った願望など事実のシチュエーションから別の選択をした場合の妄想を膨らませて物語を作っています。全て想像でお話が書けるのが理想ですが私の場合、「事実」があるからリアリティがある文章が書けるのかなと思っています。

……ここまではどちらかというとアイディアの部分でしょうか。
じゃあどうやって書き上げているのかについてもこの機会に考えてみました。すると主に以下の3パターンで進めていたということがわかりました。
※これはあくまでも結果論です。

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1) 最初から最後までの流れを全て決めてから書く

頭の中にある要素を一度全部出して、再構築するイメージです。

主に私の小説はこの流れに沿ってできています。頭の中で構想ができているときはそのままひたすらWordに打ち込みます。5,000字くらいまでなら可能ですかね。それ以上になると、紙に流れやキャラクターに言ってほしいセリフを書き出して、紙に①、②、③……と順番をうってからその通りにWordに打ち込みます。


2) 思いついた部分から書く

思いつくままに書いて、順番をシャッフル。
私がエッセイを書くときはこの手法を使うことが多いです。

直近でアップした「ひとりじゃないよ」は思い返せばこのパターンで書き上げました。①のように書く順番を決めたつもりだったのですが、途中まで書いて、「あれ? これ、ラストに持ってきたほうがいいよね?」と思い、塊ごとまるまる後ろへと動かしました。そしてその上を順に埋めていきました。もしかしたら頭の中が整理できていなかっただけなのかも。だけど、最初を書いて、頭を書いて、中を書いて、最後書き足して……とまるでパズル的で面白かったです。小説でやったのはこれが初めてかもしれません。


3) キャラクターの大まかな設定だけ決めて書く

私が苦手とする書き方である、と気づいた書き方。「だけど永遠に、愛おしい」はこれにあたります。(全16話、マガジンにまとめておりますので未読の方は是非!)

これは主人公“椿”とその友人“鍛冶”の学生時代のやりとり(第1話冒頭)が書きたくて、書き始めた物語。それを長編へと伸ばしてみよう、という見切り発車での挑戦でした。結果、途中で筆が止まるという……。キャラクター設定が甘かったのかもしれませんが、この記事冒頭で述べた「キャラクターが勝手に動き出す」ということが可能な書き手さんなら、この方法で小説を進めていけるのではないかと思いました。

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note関西meetupの記事のコメントで「小説をどう書いているのかのアウトプットを詳しく知りたい……」という内容のコメントをゆみっぺさんリクエストを頂いたので自分なりに、ですがまとめてみました。いかがでしょうか。みなさんに何かしら伝わればいいな。

実は、誰かのリクエストに応えて書く、というのは「この小さな街から」、「物語ができる頃には」に続き、この記事で3回目。お題のようなものをもらって書くのは楽しいです。もしかしたら性に合っているのかも、なんて。

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