友人が、株式会社を創りたいと相談してきました。資本金は？と聞くと「10万円や、俺、金ないもん」という

「10万円で会社創らないといけないの？」

「今やっているデリバリーの仕事、法人だと直接契約ができるんや。大学生も何人かアルバイトで下にいるから、法人化しようと思う」

「売上は？」

「月に30－40万くらいかなあ」

「それは法人化する意味ないわ。法人ってとってもお金がかかるのよ。最低でも月に100万円を超えないと持ち出しばかりよ。それに10万円の資本金だと最初から自分の給与も出なくて赤字って言っているようなものだから、公的な補助金なども獲得しにくいよ」

「あとから、資本金増やせばいいじゃん」

「と思うでしょ、その為には毎月の収支で株価が変わるから、毎月税理士に税務をお願いするのと同時に、その月の株価を出してもらって資本金を積む必要があるの。その手続きだけでも、税理士にいくらかかると思う？」

会社登記に30万円。毎月の売り上げが30万円なのに税理士に毎月2－3万円払い、司法書士にも登記を依頼するのでかなり出費です。司法書士の手数料は安くても「租税公課」印紙代金がかさみます。

同様に会社の本店の移転登記も司法書士に依頼するので区をまたぐと4万円以上かかります。

毎月の売り上げが100万円以上あり、利益率が高ければ、経営者が資金を貯めて2年後に増資するなど考えていくことができます。

でも資本金10万円の会社では経営者の給与も十分ではないことがうかがえる金額です。資本金100万円でもちょっと・・？？
この契約以外、他の会社が取引先として相手にしてくれる資本金とはいえず「お金がないんだなあ、この貧乏会社、大丈夫かなあ」と思われてしまうでしょう。

会社は無理して作っちゃだめです。安易に作ってもあとから「こんなにお金がかかるんだ」と後悔します。
売り上げが、大きくなるのを予想でき、最低でも年商1000万円以上になった時に考える。それが無理のない会社の作り方です。

しばらくは個人事業主で、お金を貯めてから法人化したほうが良いよ、とアドバイスした件でした。