何を目指して資格を取得しているのか。

このnoteでは様々な資格を取得した話を書いてきましたが、単なる資格マニアではないのか、というイメージがつくのは私の本位ではないのです。
そこで一旦、何を目指しているのかをまとめてみました。


私が就職後に取得した資格・合格した試験は
・甲種危険物取扱者
・エネルギー管理士(電気)
・ビジネス実務法務検定2級
・第二種電気主任技術者
・第一種電気工事士
・行政書士
・情報処理安全確保支援士
の順となります。
この内、甲種危険物取扱者は業務命令を受けて取得したものです。
それ以外の資格や試験は自発的に取得した(社内応募に手を上げたものも含む)ものです。

しがみ付き戦略の一環として、「そういえば、あいつあれができるぞ」をアピールする

30代後半になれば、昇進の程度が見えてきます。
私の場合、部長・課長は到底見えない。係長も怪しい。平で定年までかな、という可能性が見えてきました。同期は大分先に係長になっています。
メーカで、自社の主流の製品に直接関わらない分野だと評価はあまり高くありません。

リーマン直前に入社した私には、忘れられない風景があります。入社した年の12月、契約社員の人たちが泣きながら会議室からでてきたときのことです。天気すら曇りだったと思いだします。
そしてその直後に、30代以上だったり在籍10年を超える平社員に希望退職を募ったのです。
30代以上、在籍10年以上の平。まさに今の私です。

入社してからずっと、電気とシステムをやってきて、とくに35歳前後での人事評価については6段階評価の2がつくなど、大分不満に感じる評価を受けました。そこで大きく足止めをした時に思ったのは二つです。
その一つが「他の人にできないことをしよう」です。
自分が得意としている分野は、製品を直接改善することはなく目立ちにくいので評価は高くならない。ならばこそ、他の人が目を向けていない、手出ししにくい分野で発言力を増しておく。

勤務先の手薄な分野を狙っていく

私が学んだ分野は大別すると、エネルギー・インフラ系(第二種電気主任技術者・エネルギー管理士)、情報系(情報処理安全確保支援士)、法律系(行政書士・ビジ法2級)となります。
この3分野は私の勤務先で影響範囲は広いわりに有資格者や知見のある人がすくなく、手薄と見込んだ分野です。
勤務先は子会社を除いて500名以上の従業員がいますが、エネルギーインフラ系・情報系・法律系のいずれも実務者が2~5名しかいない。つまり、その2~5名の中でそれなりの発言力を持てば、結果的にその分野でトップクラスの影響力を持つことになります。
主流の製品に直接関与する分野は、それだけ関与する人が多い。製造部門、品質保証部門、プラント設計部門、営業。それぞれの中で階層構造になっていて口出ししてくる。私と同程度の階層まで降りれば、40~50人は口出しするでしょう。
結果的に、その40~50人で意見集約された後に、システム的に可能なのかとか、電気設備として問題ないのかとか、法的に許されるのか……という点で出番になるわけです。

属人化はよくないと言われますが、しがみつきで一番有利なのは属人化した業務を確保することです。
特殊な分野は標準化された手順ですら簡単に担当を引き継げないことが多く、属人化しやすいのです。
たとえば、難易度の高い資格を取得しなければ、法的に業務を引き継げないとか。
最新の知識を絶えずキャッチアップしていなければならないとか。
難しい(と思われやすい)勉強を積み重ねないと、理解できないとか。
それらの学習コストが大きいほど、学習した人に業務がつきやすく、そしてひきはがしにくくなるのです。不況であったとしても、切り捨てにくい。
実際、行政書士に合格した後は所属部門での法令更新の管理を任されるようになったし、情報処理安全確保支援士に合格するより前から工場の情報セキュリティについて社内規則やベース構成を考える役割を振られているのですが、「じゃ、ちゆまる君の代わりに○○さんに……」とひきはがしにくいものなのです。

いつかは辞めるのだから

しがみついてはいても、死ぬまで会社にいるつもりはありません。
ぶっちゃけ、しがみついているのは金のためです。
クビを切られるか、定年までつとめるか、それとも嫌になって辞めるか……辞める理由は色々あるけど、どうせいつかは辞めます。
そうなったとき、次の道をいくつかでも増やしておきたい。
それならば、自分ができることを明らかにできなければなりません。
業務知識があることを主張する、実務に知見がある、それも大事なことです。
そして、ある種の資格は実務経験の証明になります。
エネルギー管理士や第一種電気工事士は免状取得に実務経歴が必要ですし、第二種電気主任技術者の免状は実務経験による認定でも得られます。ええ
また、甲種危険物取扱者も受験資格の一つに乙種危険物取扱者としての実務経験があります。

中途採用の方が前職での実務経験を証明できずに甲種危険物取扱者を受けられない(うちでさらに2年勤務しなければならない)というパターンも見ました。
私と喧嘩別れした元上司が、会社とも折り合いがつかずに辞めていくとき、社長印を押した実務経歴書を確保したパターンも見ました。
だいたいどこでもそうでしょうけど、在籍中の従業員の実務経歴書に判子を押すほうが、辞めた元従業員のそれに判子を押すよりもハードルが低い。
それも折り合いわるく辞めたなら尚更請求する側も心理的な負担がある。
それでせっかくの実務経験をパーにするわけにはいきませんので、ある程度の実務経験が積めれば上位の資格に変えておく
実務経験は会社しか証明してくれませんが、資格に転じれば国が証明してくれます。

評価は低いだろうから、もらえるもんはもらっておこう

「評価は低いだろうから、もらえるもんはもらっておこう」これが足止めをしているときに思ったことの一つです。
この「もらえるもん」には資格取得の為の実務経験だけでなく、資格を取得することへの支援(受験料の負担や奨励金など)も含みます。
実務経験を上位資格に変えたり、難易度の高い資格試験の奨励金をもらったりと、もらっておこうと思えるようなものをどんどんもらって、残りが少なくなってくると、評価が低くても「まー、もうどうでもいいわ。最低限もらうもんはもろたしな」と気が楽になってきました。
おしいと言えばおしいからしがみつくけど、嫌になったらやめたろ。なんぞ飯くう方法はあるわい」と相反する気持ちになれた結果、筋の通らぬ要求にも「不可能ですな」と反論できるようになりました。

自信がつくと評価はちょっとあがるかもしれない

資格を盾にして、踏ん反り返って「不可能じゃい」と言うのは禁じ手ですが、知識を背景にできない理由をきちんと説明して「不可能です」と反論することは最低限必要な攻撃方法です。
さらに「こうすれば可能になる」と提案できれば追撃可能です。
なあに、勉強していない人より勉強したこっちのほうが二手も三手も先が読めます
そういうのを繰り返すと、身に付いたスキルが本当に役立っている実感がわき、自信につながります。
そこまで自信を持てると、評価はあがるかもしれません。私の場合はちょっとだけ良くなりました。

窓際にいくなら、窓を破れるだけの武器を持とう

どれだけ頑張っていても、会社にとって有益と見られなければ窓際においやられます。それはそれで仕方無いことです。
しかし、窓際にやられたからといって我慢する理由はないと思ったなら「こんな窓、ぶち破ってやるぜ。窓の側に置いたのが運のつきだったな」とばかりに勉強するのも一つの手です。
スレッジハンマーでぶんなぐるもよし、爆薬で窓枠ごとふっとばしてやるもよし。こそっと窓を開けて逃げるのもよしです。

そう思ったので、私は色々と勉強しているのです。


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