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インタビュー原稿を書くコツ ─ なんて私が書いていいものかわかりませんが、僭越ながらちょっと書いてみました


私は日常的に仕事として記事をつくっていますが、それには様々な形があります。

時事的なネタに自分の考えを乗せ、結論までを書くコラム、取材した内容を報告的に書くルポタージュ、わりと自由なスタイルのエッセイなど、ジャンルは様々です。

中でもこのところ多く書いているのは、インタビューや対談記事。


先日このような記事を書いたのですが、


この記事をたくさんの方が読んでくださったんですね。本当にありがとうございます。

そしたらですね、こちらに登場した林伸次さんヤマシタマサトシさんに、「これを機会にインタビュー原稿を書くコツ、みたいな記事書いたら?」とアドバイスいただいたんです。なので素直にちょっと書いてみようかと思いました。

noteでインタビュー記事をアップする人は、プロの方以外は少ないかもしれないですけど、身近な人にインタビューして記事を書くのも面白いかもしれませんよ。

まず、インタビュー原稿につきものな厄介なもの。

それは音源起こしです。
これライターさんなら皆さんぶんぶんうなずくところですよね!

だったら外注に出したら?とか、そういうアプリあるよ!とか、iPhoneで音声読み取りしてくれるじゃん?など、色々とアドバイスもいただきます。

まず外注ですが、一度試したところ、とてもいい具合に、あとはもうちょっと手入れすればいいなーと思えるくらいに仕上げてもらえました。でもフリーのライターにはちょっとお高い。ギャラが減るのはいやなので、死ぬほど忙しくなければ使わないです。

iPhoneはレコーダーの音声をそのまま読み取ってくれなかった。声に出して読み上げるくらいなら自分で打った方が早いです。

アプリは少々試しましたが、人物を特定して、段落を分けて書いてくれる機能がないんですね。私の知っている限り。
すると使い勝手が悪いのでこれもパス。


というわけで、とりあえず頑張って起こしましょう。結局自分で起こしてるわ~ってライターさんがほとんどです、自分調べでは。仕上げを意識して、頭で話の流れをつくりながら音源を起こすと、先の作業がスムーズになります。

誰の言葉かわかるように、印になるものをつけるといいです。私は「」や、─を音源起こしの段階で入れて区別することも多いですね。


インタビュー記事って、読んでいるとそのように話しているみたいに読めますが、実際には(私の場合はですが)話す順番も、言葉も違うことが多いです。前述の記事ではわりとざっくばらんに話を始めているので、記事化するときにはかなりパズルしました。(文脈に合わせて話した内容を入れ替えたり、削ったり、足したりすることをパズルと言っています。勝手な造語かもしれません)

音源を起こした状態で文字数は約15000w。これを読みやすい文字数に落としていきます。

普通のインタビュー記事なら3500wくらいまでが読みやすいとされています。こちらは対談なのと、中身が充実していたので削るにはもったいない話が多かったのとで、7000wと長編スタイル。これを前後編に分けることにしました。対談はふたり分の話が入るので、増えるのは仕方ないかも。


なんか簡単に削るって書きましたが、たぶんここが最も途方に暮れるところかもしれない。


手順としては、

まずは音源を起こしたら、一晩寝かせます。

だって、もう見たくもないから。たぶんみんなそう。いいんです、寝かせます。

翌朝、ちょっと気分が回復した時点でそっとPCを開けます。何も変わっていません。あ、蓋を閉めないで!頑張って。一先ず一通り読みます。

昨日音源を起こしながらなんとなく考えていたことを思い出しましょう。そう、流れと、キモをつくるんです。キモとは、「肝心要の、この文章の中で伝えるべき大事な点」。インタビュー前に決まっていることもありますが、そうではないときも多く、書きながら決めることがほとんど。

これが決まると必要のない話が出てくるので、削りながら流れをつくっていきます。いろんなタイプの人がいると思いますが、私の場合は、いらない話が浮かび上がってくる系の人です。

文章が降りてくるとかスピリチュアル系のいい加減なこと言うやつがいますよね。あの類です。ちなみに私は、シャワー中が最も降りてくる時間です。

さあ、バサバサと削っていきましょう。一応音源の原稿はそのまま取っておくことをお勧めします。削ってから、あっ!ってなることもありますので。

文章にするとき、どこまで書き言葉に変えるかのさじ加減はセンスを問われる部分です。話し言葉ってそのまま書けるほどきちんとしてないんですね。でも正しい言葉にしてしまうと、全然面白くない。これは量をこなして自分の何かしらを掴んでいくしかない。するといつかは質が向上しているはずです。

また言葉尻の同じものが連続してしまうと読みにくいので(です。で終わったセンテンスが延々と続くなど)表現を変えましょうって、誰でも知ってるかな(笑)。

話が矛盾していることもよくあります。人ってそんなに正しく話してないです。そんなもんだと思って優しくそっと直す、あるいは消すが正解。

さあ、だいぶいい形になってきました!誤字脱字もよく調べて。余裕があれば表記ゆれ(英数字や漢数字が混ざったり「つくる」「作る」など漢字とひらがなが混在したりする事)も探しましょう。

クライマックスです。キモを思い出しながらリード(最初に書いてある、記事の概要なんかが書いてある部分)をつくり、気が乗ったら見出しを付けます。


そしたらここで一旦寝ます。だって判断力が低下してるのでむり。飲みに出るのもいいかもしれない。


翌日、ここが肝心なのですが、読み返して、自分が面白く読めたかどうか、判断します。

たぶん本人が一番厳しい読者なので、自分が面白かったらOKとしちゃいましょう。


さて、記事のつくり方はこんな感じです。大して役に立たなかったらごめんなさい。

次回は「ナンパにもいかせるインタビューの仕方」です。お役に立てれば幸い。


それでは、また。よろしかったらいらしてください。

















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