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女神の仮面(2010.12.21~2011.2.1)

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【全7話完結済み】両親を殺された憎しみを晴らすため世界屈指の<癒し手>となったオプシディオ。しかし、最愛の弟は憎むべき相手<真の名を呼ぶ者>に仕えるという。幼少期から翔平に出会う… もっと読む
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記事一覧

女神の仮面/あらすじ

陶器のように白い肌。森深い翡翠眼。 術師の長兄であり天才的<癒し手>を 民は「女神」と呼ん…

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女神の仮面/1.術師の館

空がくすんだ赤みに転じる夕暮れ。 石畳を小走りに進み、すでに閑散とした噴水広場を抜けた。 …

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女神の仮面/2.悪夢の時

自室に戻った僕は、勲章を無造作に放り投げた。 それは、寝具の上で跳ね、床にコトリと落ちた…

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女神の仮面/3.舞い降りた神

身体を揺さぶる振動に跳ね起きた。 夜明けが来ていたんだ…。 扉を休みなく叩く音。僕たちの名…

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女神の仮面/4.塀の向こう側

「ミオは…?」 屋敷に入る日。玄関先で馬に荷を積んだラカンカは呟いた。 「まだヘソを曲げて…

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女神の仮面/5.新たな使命

ラカンカは一時もしない内に見習いを卒業していた。 前代未聞の早さで昇級し、土産話を持って…

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女神の仮面/6.押し寄せる闇

あれから瞬く間に月日が流れて行った。 館の地下には<抜け道>が繋がり、術によって閉ざされている。 僕はそのことも忘れ、日増しに増加する凄惨な出来事に悔しさを募らせた。 片時も安らぎのない世界。 エントランスを埋める民の姿は、傷つき、痩せ細り、正視するのも憚られた。 <真の名を呼ぶ者>が復活した。 人々はその噂で湧きかえったが、僕は悪戯な希望など抱かなかった。 それよりも早く、この現状を何とかしてくれ…。 噂が流れてから、ラカンカは一度だけ戻って来た。 「翔平さまは素晴らしい方

女神の仮面/7.傷ついた鳥

あの夜は、再び灯る松明の炎で始まった。 ブロジュ様がここに辿り着いて二日後の事だ。 僕たち…

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